動画や舞台で見かけたかっこいいダンスを自分も踊ってみたいのに、ジャンルの名前がわからない。レッスンを探したいのに検索できない。そんなモヤモヤを抱えていませんか。
本記事では、主要なストリートダンスやジャズ系のジャンルを、動き・音楽・雰囲気から見分ける方法を徹底解説します。名前がわからないダンスの正体を、自分でかなりの精度で推理できるようになることを目標に、専門的な内容を分かりやすく整理しました。
目次
ダンス ジャンル 名前 名前 わからないときの基本的な考え方
気になるダンスの名前がわからないとき、多くの人は「この動画と同じダンスは何だろう」と感覚的に探してしまいますが、ポイントを整理して観察すると、かなり正確にジャンルを絞り込めます。
特に、足さばきの細かさ、上半身のアイソレーション(体の一部だけを動かす動き)、音楽のテンポやリズムの取り方など、いくつかの要素を分解して見ることで、ヒップホップなのか、ハウスなのか、ジャズなのかなどを判断しやすくなります。
ここでは、ダンスのジャンル名がわからないときに最初に押さえておきたい「観察の視点」と「よくある勘違いパターン」を解説します。自分が見たダンスを頭の中で分解していくためのフレームワークとして使ってみてください。これを理解しておくと、後半で紹介するジャンル別の特徴もずっと理解しやすくなります。
ダンスジャンルを見分けるときの三つの視点
ジャンルを見分けるときは、主に三つの視点に分けて観察すると整理しやすくなります。
一つ目は「音楽の種類とリズムの取り方」です。ヒップホップなのか、ハウス系の4つ打ちなのか、ファンクやソウルなのかで、踊られているジャンルはかなり絞り込めます。二つ目は「足のステップと重心の位置」、三つ目は「上半身や腕の使い方」と考えると良いです。
例えば、上下のリズムを大きく取り、重心が腰まわりにあり、胸や肩のアイソレーションが多ければ、ヒップホップである可能性が高くなります。一方で、細かい足さばきとスムーズな体重移動が目立ち、4つ打ちのハウス系音楽に乗っているならハウスダンスの可能性が上がります。このように三つの視点で観察する習慣をつけると、名前がわからないダンスも論理的に分析できるようになります。
名前がわからないときにやりがちな勘違い
名前がわからないダンスを調べるとき、よくある勘違いとして「全部ヒップホップと呼んでしまう」というものがあります。ストリート系の見た目のダンスをすべてヒップホップとまとめてしまいがちですが、実際には、ロッキン、ポッピング、ハウス、ブレイク、クランプなど、細かく異なるジャンルが存在します。
また、ジャズダンスとジャズコンテンポラリー、モダンダンスやコンテンポラリーダンスの境界も、初心者には分かりにくいところです。さらに、K-POPのダンスは複数ジャンルの要素をミックスしていることが多いため、「K-POPダンス」という一つのジャンルだと誤解しやすいのも典型的なポイントです。こうした勘違いを避けるためにも、名称だけで判断せず、動きと音楽の特徴から理解することが大切です。
検索するときのキーワードの工夫
ダンスのジャンル名が正確に分からなくても、特徴を言葉にして検索することで、かなり近い情報にたどり着けます。例えば、「ストリートダンス 腕 回す 早い」「ダンス 足ステップ 速い 4つ打ち」「KPOP ダンス ジャンプ 多い」など、動きや音楽の印象を日本語で組み合わせて検索してみてください。
さらに、気になる動画がある場合は、動画タイトルやコメント欄にジャンルや振付師の名前が記載されていることが多いので、その名前で再検索するのも有効です。また、「ダンス ジャンル 一覧」「ストリートダンス 種類」などのキーワードで、代表的なジャンルと特徴の一覧を一度ざっと確認しておくと、自分が探しているスタイルがどのあたりに位置するか見当を付けやすくなります。
代表的なストリートダンスのジャンル名と特徴
ストリートダンスという言葉はよく耳にしますが、その中にはいくつものジャンルが含まれます。ヒップホップだけでなく、ハウス、ロッキン、ポッピング、ブレイキンなど、それぞれ歴史も音楽も動きも異なります。ここでは、名前がわからないことが多い代表的なストリート系ジャンルを整理して紹介します。
それぞれのジャンルを「音楽」「リズムの取り方」「体の使い方」「よくある勘違い」の観点で説明しますので、実際に動画を見ながら照らし合わせると理解が深まります。複数のジャンルをミックスした振付が主流になっている今だからこそ、基礎となるスタイルを押さえておくことが、ジャンル名を見極めるための近道になります。
ヒップホップダンスの特徴と見分け方
ヒップホップダンスは、ストリートダンスの中でも最も広く知られているジャンルの一つです。主にヒップホップやR&B、トラップなどの音楽に合わせて踊られ、体全体でビートを感じるスタイルが特徴です。大きなアップダウンのリズム、腰や胸、肩を使ったアイソレーション、グルーヴ感の強い動きがよく見られます。
見分けるポイントとしては、足さばきがハウスほど細かくなく、全身のノリを重視していること、音の隙間に細かく動きを入れるというより、リズムの大枠をしっかりとる振付が多いことが挙げられます。また、衣装もカジュアルなストリートファッションが多く、MVやライブ、K-POPのダンスブレイクなどにも頻繁に取り入れられています。
ハウスダンスの特徴と見分け方
ハウスダンスは、クラブミュージックであるハウスやテクノなど、4つ打ちのダンスミュージックに合わせて踊るジャンルです。最も特徴的なのは、細かく滑らかな足さばきと、フロア全体を使う軽やかなステップワークです。足元は細かく動いていても、上半身は比較的リラックスしていて流れるような印象になります。
見分ける際は、曲が「ドン・ドン・ドン・ドン」と一定の4拍を刻んでいるか、足のステップが連続してつながっているかをチェックしてみてください。ジャンプしながら回り込んだり、ツイストするようなステップ、スライドするような動きが多く見られれば、ハウスダンスの可能性が高いです。ストリート系の中でも、特にフットワークの多さが際立つジャンルです。
ロッキン(ロックダンス)の特徴と見分け方
ロッキン(ロックダンス)は、ファンクミュージックに合わせて踊る、陽気でショーアップされたストリートダンスです。名前の由来になっている「ロック」と呼ばれる一瞬ポーズで止まる動き、コミカルでエネルギッシュな腕の動き、ウエーブやスクービーなどのキャラクター性の強いステップが特徴です。
見分け方としては、腕を大きく振り上げて急に止まる、指をさしたり、観客にアピールするようなポーズが多いかどうかをチェックしましょう。音楽も、ファンクやソウル系のグルーヴィなものが中心で、全体として明るくポップな雰囲気があります。他のジャンルに比べて、表情やジェスチャーで楽しさを表現している点もロッキンの大きな特徴です。
ポッピングの特徴と見分け方
ポッピングは、筋肉を瞬間的に収縮させて体を弾く「ポップ」という動きを軸にしたスタイルです。ロボットのような動きや、体を波のようにうねらせるウェーブ、関節を一つずつ切り離したようなストップモーションが多く見られます。音楽はファンクやエレクトロファンクなどがよく使われ、ビートに合わせて体を弾くように動かします。
見分けるポイントは、動きの途中で細かくカクッと止まったり、一つ一つのポーズに明確なアクセントがあるかどうかです。ロボットダンスやアニメーションダンスと混同されることもありますが、ポッピングはその総称として使われることも多く、細かくは複数のスタイルを含んでいます。いずれにしても、筋肉のコントロール力が強く、独特のカクカク感があればポッピング系と考えて良いでしょう。
ブレイキン(ブレイクダンス)の特徴と見分け方
ブレイキンは、いわゆるブレイクダンスとして広く知られているジャンルで、床を使ったアクロバティックなムーブが特徴です。フットワーク、トーマス、ウィンドミル、ヘッドスピンなど、体を回転させる技が多く、全身の筋力とバランス感覚が求められます。音楽はブレイクビーツと呼ばれるドラムが強調された楽曲が中心です。
見れば一目で分かることが多いジャンルですが、立ち踊りのトップロックと床技のフロアムーブ、倒立系のフリーズなど、構成要素を知っておくとより理解が深まります。特に、床に手をついて足を大きく回したり、頭や肩で回転する動きがあればブレイキンと考えて問題ありません。他ジャンルの振付にアクセントとしてブレイキンの技だけ取り入れられている場合もあるので、その場合は「ヒップホップ+ブレイキン要素」などと理解すると良いでしょう。
ジャズダンス・ジャズコンテンポラリーのジャンル名と違い
舞台やミュージカル、ダンススタジオのレッスン表でよく見かける「ジャズ」「ジャズコンテンポラリー」「コンテンポラリー」などの名前は、違いが分かりにくいと感じる方が多いジャンルです。どれもクラシックバレエの要素を基礎としながら、音楽や表現の方向性が少しずつ異なります。
ここでは、一般的なダンススタジオで使われている用語の使われ方をベースに、ジャズダンス、ジャズコンテンポラリー、コンテンポラリーダンスの違いを整理します。厳密な定義は環境や指導者によってぶれる場合もありますが、名前がわからないレッスンや作品のジャンルをおおまかに判別するには十分な目安になります。
ジャズダンスの基本的な特徴
ジャズダンスは、クラシックバレエのテクニックを土台にしつつ、ポップスやミュージカル楽曲など多様な音楽に合わせて踊るジャンルです。キレのあるジャズウォーク、ターンやジャンプ、しなやかな腕のラインなど、舞台映えするムーブが多いことが特徴です。ミュージカルやテーマパークショーなどの多くも、このジャズダンスの文脈にあります。
見分けるポイントとしては、つま先の伸びや美しい姿勢、ターンの多さなど、バレエ的な基礎が強く感じられるかどうかです。また、カウントに対して比較的きっちりと動きが構成されており、ポーズの形が明確に決まっていることが多いです。音楽はポップスやジャズ、ミュージカルナンバーなど幅広いですが、いずれもメロディや歌詞の表現に重きが置かれていることが多いと言えます。
ジャズコンテンポラリーとは何か
ジャズコンテンポラリーという名称は、ジャズダンスのテクニックをベースに、コンテンポラリー的な表現や床の使い方を取り入れたスタイルを指すことが多いです。一般のスタジオやコンテストのカテゴリーでも広く使われており、「ジャズとコンテンポラリーの中間」イメージと考えると理解しやすいです。
具体的には、ジャズダンスほどカウントにきっちり縛られず、流れるような動きや体重移動、床に手や体をつく動きが増える傾向があります。一方で、完全に抽象的な表現に振り切るのではなく、ポップスやバラードなど分かりやすい音楽に合わせて感情を表現する振付が多いことも特徴です。バレエ的なラインと、現代的な自由さが同居しているスタイルと言えるでしょう。
コンテンポラリーダンスとの違い
コンテンポラリーダンスは、モダンダンスを源流としつつ、現代的で自由な表現を追求するジャンルの総称です。クラシックなテクニックに縛られず、床を多用したり、重力を強く意識した動き、日常動作を取り入れたようなムーブなど、作品や振付家によってスタイルが大きく異なります。音楽もクラシックから環境音、無音まで幅広く、明確な型よりもコンセプトや表現を重んじる傾向があります。
ジャズコンテンポラリーと比べると、コンテンポラリーはより抽象度が高く、ポップス楽曲に合わせるケースは少なめです。また、技術的にも、バレエのラインをあえて崩したり、重心を落として床と一体化するような動きが多く見られます。スタジオレッスンで「コンテンポラリー」とだけ書かれている場合は、この広い意味でのコンテンポラリーダンスを指していることが多いです。
ジャズ系ジャンルの違いを整理した比較表
ここまでの内容を整理するために、ジャズダンス、ジャズコンテンポラリー、コンテンポラリーの違いを簡単な表にまとめます。
| ジャンル名 | 音楽の傾向 | 動きの特徴 | 雰囲気・表現 |
|---|---|---|---|
| ジャズダンス | ポップス、ジャズ、ミュージカルなど | バレエ基礎が強く、キレのあるターンやジャンプ | ショー的、分かりやすい構成とポーズ |
| ジャズコンテンポラリー | ポップス、バラード、映画音楽など | ジャズ+床の使い方や流れる体重移動 | 感情表現が強く、やや抽象的 |
| コンテンポラリー | クラシック、環境音、無音など自由 | 重力や床を多用し、型に縛られない | コンセプト重視で抽象度が高い |
K-POPやTikTokでよく見るけれど名前がわからないダンス
最近、多くの人がダンスに興味を持つきっかけになっているのが、K-POPアイドルの振付やTikTokのショートダンスです。しかし、これらのダンスは複数のジャンルがミックスされているため、「これはヒップホップ?ジャズ?何ダンス?」と名前がわからなくなることがよくあります。
ここでは、K-POPやTikTokで頻出するスタイルが、どのジャンルをベースにしていることが多いのか、また、レッスンを探すときにどの名前で検索すると近いスタイルにたどり着きやすいのかを解説します。自分が踊りたいダンスの系統を理解する手がかりにしてください。
K-POPダンスはどんなジャンルのミックスか
K-POPの振付は、ヒップホップ、ジャズファンク、ガールズヒップホップ、時にはコンテンポラリーやロッキン、ポッピングまで、多彩な要素をミックスして構成されています。そのため、「K-POPダンス」という言葉自体は音楽のジャンル名であり、ダンスの厳密なジャンル名ではないという点をまず押さえておく必要があります。
実際のところ、K-POPのコレオグラファーの多くは、ヒップホップやジャズファンクをベースにしているため、ダンススタジオでK-POPクラスがない場合は、「ヒップホップ」や「ジャズファンク」「ガールズヒップホップ」のクラスを受けると近い動きが身につきやすいです。レッスン名だけで迷うのではなく、動画の雰囲気と照らし合わせて系統を選ぶのがポイントです。
TikTokダンスで多い動きとジャンル
TikTokなどショート動画プラットフォームで流行する振付は、誰でも真似しやすいことを重視して作られています。そのため、ステップ自体はシンプルなものが多いですが、もともとのベースはヒップホップ、ジャズファンク、ポップカルチャー系のストリートダンスであることがほとんどです。
上半身中心の動きや、手の形や顔周りのポーズが多い場合はジャズファンク系、リズム取りや足のステップが少し複雑になっている場合はヒップホップ寄りと考えると分かりやすいです。また、腰を大きく使ったり、ボディラインを強調する振付が多いものはガールズヒップホップやアーバン系と相性が良いでしょう。短い動画であってもベースとなるジャンルを意識すると、上達の近道になります。
K-POPやTikTokダンスを習いたいときのクラス名の選び方
実際にダンスを習いたいと考えたとき、「K-POP」と名前が付いたクラスが近くにない場合も多いです。その際は、次のようなクラス名を優先的にチェックすると、K-POPやTikTokでよく見るスタイルに近づきやすくなります。
- ヒップホップ
- ジャズファンク
- ガールズヒップホップ
- アーバンダンス
特にジャズファンクやガールズヒップホップは、アイドル振付やポップな楽曲に合わせた振付と相性が良く、表情やポージングも学びやすいです。また、体の使い方の基礎をしっかり身につけたい場合は、ジャズダンスやバレエの基礎クラスを並行して受けると、ラインが美しくなり、映える踊りにつながります。
タップ・ロック・ハウスなど、名前を聞いたことはあるけれど違いが曖昧なジャンル
ダンス経験者であっても、「タップ」「ロッキン」「ハウス」といった単語は知っているものの、具体的な違いを説明するのは難しいという声は多いです。名前を聞いたことはあるけれど、どんな動きなのかまではイメージしきれていないジャンルほど、動画で見ても「結局これ何ダンス?」となりがちです。
ここでは、特に混同されやすいタップダンス、ロッキン、ハウスダンスについて、音楽、足元、上半身の使い方などの視点から整理します。それぞれをしっかり区別できれば、動画や舞台を見たときにジャンル名を推測しやすくなり、自分が習いたいスタイルを選ぶ際の判断材料にもなります。
タップダンスの特徴と他ジャンルとの違い
タップダンスは、靴底についた金属のタップ板で床を打ち、リズムを奏でるダンスです。足の動きそのものが打楽器の役割を果たすため、音楽的な側面が非常に強く、足元の細かいリズムとタイミングが命ともいえるジャンルです。ジャズやスウィング、最近ではポップスやヒップホップに乗せて踊られることもあります。
他のジャンルとの決定的な違いは、足音が明確なリズムとして聞こえることです。動画や舞台で、足元が金属音を鳴らしながらリズムを刻んでいれば、それはほぼ間違いなくタップダンスです。また、上半身は比較的リラックスしていることが多く、足の動きが主役になります。見た目だけではなく、耳で判断することができる珍しいジャンルと言えるでしょう。
ロッキンとロックダンスの関係
ロッキンという呼び方とロックダンスという呼び方は、基本的には同じジャンルを指します。ロック(lock)とは「ロックする」、つまり一瞬ポーズで止まる動きのことで、これがスタイルの名前の由来です。ファンキーな音楽に合わせて、腕を振り上げて急に止まる、コミカルなステップを踏むなど、観客を楽しませる要素が強いのが特徴です。
名前が似ているため、ロックミュージックに合わせて踊るダンスと誤解されることもありますが、実際にはファンクやソウル、ディスコ系の音楽が中心です。また、ヒップホップと混同されやすいものの、ロッキンはよりポップで陽気、ポーズの瞬間に強いアクセントがある点が異なります。腕使いが大きく、止まる瞬間がはっきり見えるダンスであれば、ロッキンと判断しやすいです。
ハウスとヒップホップを見分けるポイント
ハウスとヒップホップは、どちらもストリートダンスとしてクラブシーンから発展したジャンルですが、動きの質と音楽の違いを理解すると、見分けることができます。ハウスは4つ打ちのハウスミュージックに合わせ、軽やかなステップと滑らかなフットワークが特徴です。一方、ヒップホップはビートの効いたヒップホップトラックに合わせ、アップダウンのリズムと重心のあるグルーヴが中心になります。
見分けの実践的なポイントとしては、足のステップの量と複雑さに注目してみてください。常にステップが連続しているように見え、細かく足が動いている場合はハウス寄りです。逆に、足の動きよりも上半身のノリやボディコントロールが強く見えればヒップホップの可能性が高くなります。音楽のビートが4つ打ちかどうか耳を澄ませるのも有効な手がかりです。
動画やライブで見たダンスジャンルの名前を特定する方法
ここまで各ジャンルの特徴を解説してきましたが、実際に動画やライブで見たダンスの名前を特定するには、少しコツが必要です。特に最近の振付は複数ジャンルのミックスであることが多く、「これは絶対にこれ」と言い切れない場合もあります。それでも、いくつかの手順を踏むことで、かなり高い精度でジャンルを推測できます。
この章では、具体的な動画の観察手順や、ネットで情報を追うときの注意点、スタジオに問い合わせる際の聞き方などを整理します。自分でジャンル名を調べられるようになると、レッスン選びや練習の方針も立てやすくなります。
音楽・リズムからジャンルを絞り込む
まず注目したいのは、踊られている音楽の種類です。ヒップホップやR&Bならヒップホップダンスやアーバン系である可能性が高く、4つ打ちのクラブミュージックならハウスダンスの可能性が出てきます。ファンクやソウルが流れていて、腕のポーズが多ければロッキン、ブレイクビーツに合わせたアクロバティックな動きならブレイキンといったように、音楽とジャンルは強く結びついています。
音楽のテンポにも注目してみてください。ゆったりしたバラードや劇伴に合わせて感情豊かに踊っている場合は、ジャズコンテンポラリーやコンテンポラリーの可能性が高くなります。一方、アップテンポのポップスに合わせた、ポーズと表情が強い振付であればジャズファンク系と判断しやすいです。このように、まずは耳から情報を拾うことで、ジャンルの候補をかなり絞り込むことができます。
体の動き方と重心の位置を観察する
次に見るべきは、踊り手の重心の位置と体の動き方です。ヒップホップは重心が低めで、膝と腰をしっかり使ったアップダウンが目立ちます。ハウスは重心の上下動よりも、足のステップと体重移動が中心で、上半身は比較的軽やかです。ロッキンは上半身、とりわけ腕の振りとポーズが大きく、ポッピングは全身の筋肉を弾くような独特のカクカクとした質感があります。
ジャズ系は背筋が伸び、体のラインが美しく見えるように使われていることが多いのに対し、コンテンポラリーはあえて崩した姿勢や、床に近い重心を多用することがあります。動画を何度か見返し、どの部分が一番印象に残るか、自分なりに言語化してみるとジャンルの特徴との結びつきが見えやすくなります。
動画タイトルやハッシュタグから手がかりを得る
SNSや動画サイトに投稿されているダンス動画には、多くの場合、タイトルや説明文、ハッシュタグが付いています。そこに「hiphop」「house」「locking」「jazz」「contemporary」「KPOP」などのキーワードが含まれていないかを確認してみてください。英語表記でジャンル名が記載されていることも多いため、アルファベットでの綴りも併せて覚えておくと便利です。
また、振付師やダンサーの名前が分かれば、その人の他の作品やプロフィールから、得意とするジャンルを調べることもできます。同じ振付師の作品を複数見ることで、その人がよく使うスタイルが分かり、自分が探しているダンスの系統をよりはっきりと理解できるようになります。
どうしても分からないときに質問するコツ
自分で調べてもジャンル名が特定できない場合は、スタジオやダンサー本人に質問するのが最も確実です。その際は、「このダンスは何ですか」だけでなく、「どのジャンルをベースにした振付ですか」「レッスンを選ぶならどのクラスが近いですか」といった聞き方をすると、より実践的な情報が得られます。
SNSで質問する場合は、失礼のないように動画への感想を添えたうえで、興味を持った理由と、自分が練習したいと思っている旨を伝えると良いでしょう。また、スタジオに問い合わせる際には、気になっているダンスの動画リンクを共有し、「これに近いスタイルのクラス名を教えてほしい」と聞くことで、ジャンル名だけでなく具体的なクラスの提案を受けられる可能性があります。
名前がわからないダンスジャンルから、レッスンや練習方法を選ぶコツ
最後に、名前がわからないダンスに出会ったとき、それを自分の練習につなげるための考え方を整理します。ジャンル名を完全に言い当てること自体が目的ではなく、自分が踊りたいスタイルに近づくための行動に落とし込むことが重要です。
ここでは、スタジオ選びの優先順位、複数ジャンルを並行して学ぶメリット、オンラインと対面レッスンの使い分けなど、実務的な観点からポイントを解説します。名前がわからない状態でも、一歩目を踏み出すための指針として活用してください。
完全一致を目指さず「系統が近いジャンル」を選ぶ
現代の振付は、ほとんどが複数ジャンルの要素を取り入れています。そのため、「動画とまったく同じジャンル名のクラス」を探すよりも、「動きの系統が最も近い基礎ジャンル」を選ぶ方が現実的です。例えば、K-POPの振付であればヒップホップやジャズファンク、感情表現の強いバラード系の振付であればジャズコンテンポラリーやコンテンポラリーが該当します。
大切なのは、1つの振付に含まれるエッセンスを分解し、「この作品はヒップホップ7割、ジャズ3割くらい」といったイメージを自分の中に持つことです。その上で、まずは割合の多い方のジャンルから学び始め、余裕が出てきたら他の要素も取り入れていくと、無理なくレベルアップできます。
複数ジャンルを学ぶメリットと注意点
ダンスの世界では、複数ジャンルを横断的に学ぶことで表現の幅が広がるという考え方が主流です。ヒップホップとハウスを並行して学べばリズム感とフットワークの両方が鍛えられますし、ジャズとコンテンポラリーを組み合わせれば、バレエ的なラインと自由な表現が両立しやすくなります。
一方で、最初からあまり多くのクラスを受けすぎると、それぞれの基礎が中途半端になってしまうリスクもあります。最初の一年ほどは、基盤となる一つか二つのジャンルに軸足を置き、その上に別ジャンルを少しずつ足していくイメージでスケジュールを組むと良いでしょう。基礎がしっかりしているほど、名前がわからない振付を見ても、どの要素がどのジャンルに由来するかを自分で分析できるようになります。
オンライン動画とスタジオレッスンの使い分け
現在は、オンラインで学べるダンスレッスンや解説動画も豊富にあります。名前がわからないジャンルを調べる際には、「ジャンル名+基本ステップ」などで検索し、実際のレッスン動画を見てみるのも有効です。動きの解説と一緒に見ることで、自分が気になっているダンスとの共通点と違いが見えてきます。
ただし、体の使い方や姿勢、リズムの取り方など、細かい部分は画面越しでは分かりにくいことも多いため、可能であればスタジオレッスンと組み合わせるのがおすすめです。スタジオで基礎を学びつつ、オンラインで様々なスタイルに触れるという二本立ての学び方は、ジャンルの理解を深めるうえでも非常に効果的です。
まとめ
ダンスのジャンル名がわからないときは、まず音楽、体の動き方、重心の位置といった複数の視点で観察することが重要です。ストリート系であればヒップホップ、ハウス、ロッキン、ポッピング、ブレイキンなど、ジャズ系であればジャズダンス、ジャズコンテンポラリー、コンテンポラリーの違いを押さえることで、多くの振付のベースを見分けやすくなります。
K-POPやTikTokで流行するダンスは、複数のジャンルをミックスしたスタイルであることがほとんどです。そのため、完全に一致する名前を探すより、「どのジャンルの要素が強いか」を見極め、系統が近いレッスンや練習方法を選ぶのが実践的です。どうしても分からない場合は、動画のタイトルやハッシュタグ、振付師の情報を手がかりにしつつ、スタジオやダンサーに直接相談することも有効です。
名前がわからないからといって、ダンスを始められない必要はありません。興味を持った作品の特徴を言葉にし、近いジャンルのクラスを一歩ずつ受けていくことで、自分の中にジャンルの地図が少しずつできていきます。その過程こそが、ダンスを深く理解し、長く楽しむための大切なステップになります。
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