バレエを始めたばかりの方にとって、聞き慣れないフランス語の名称や、独特の体の使い方は少しハードルが高く感じられるかもしれません。
しかし、クラシックバレエの動きには、共通する基本の型や決まった種類があり、それらを体系的に理解すると上達のスピードがぐっと高まります。
本記事では、バレエのレッスンで登場する代表的な動きの基本と種類を、初心者にも分かりやすく整理して解説します。
これから習い始める方はもちろん、独学で用語を確認したい方や、大人からバレエを始めた方にも役立つ内容です。
目次
バレエの動きの種類と基本を全体像から理解しよう
レッスンで学ぶバレエの動きは、実は大きくいくつかのカテゴリーに整理することができます。
例えば、立ち方やポジション、プリエに代表される足の曲げ伸ばし、タンデュやデガジェのような足さばき、回転のピルエット、ジャンプのアレグロなどです。
この全体像を先に理解しておくと、個々の名称が単なる暗記ではなく、体系の中のどこに属するのかが見えやすくなります。
また、バレエの基本はクラシックに限らず、ジャズダンスやコンテンポラリーなど他ジャンルにも応用されているため、ダンス全般の基礎体力や表現力を高める土台にもなります。
ここではまず、代表的な動きの分類と、それぞれがレッスンでどのような役割を持つのかを俯瞰して整理していきます。
バレエの基本動作は大きく分けて何種類あるのか
クラシックバレエの基礎は、立ち方とポジション、足の曲げ伸ばし、足さばき、方向転換、回転、ジャンプ、腕の動きといった複数の要素から成り立っています。
一般的な入門クラスでは、バー・レッスンでこれらの基礎を一つずつ積み上げ、その後センターで応用する流れをとります。
パと呼ばれる動き自体は数え切れないほどありますが、初心者がまず押さえるべき基本は十数種類程度に絞ることができます。
これらの基本動作が理解できていれば、複雑な振付に出会っても、一つ一つを分解して捉えることが可能になり、安全に、かつ効率良く上達していくことができます。
バー・レッスンとセンター・レッスンの役割の違い
バレエのクラスは大きく、バー・レッスンとセンター・レッスンに分かれます。
バー・レッスンでは、バーにつかまりながらプリエ、タンデュ、デガジェ、ロン・ドゥ・ジャンブなどの基礎動作を、体の軸や筋肉の使い方を意識して丁寧に練習します。
支えがあるため、初心者でも正しい形を理解しやすいのが特徴です。
一方でセンター・レッスンは、バーから離れて自立した状態で、同じ動きを行ったり、回転やジャンプを組み合わせたコンビネーションを踊ります。
バランス、方向感覚、音楽性が一度に求められるため難易度は上がりますが、バーで身につけた基本を実践で試す場でもあります。
両者の役割を理解して取り組むことで、レッスン内容の意味がより明確になります。
クラシック・バレエと他ジャンルに共通する基礎
ジャズダンス、コンテンポラリー、ミュージカルダンス、さらにはストリート系のヒップホップやハウスでも、体の軸の作り方や、プリエに相当する膝の使い方、方向転換やターンの原理は共通しています。
バレエの基本をしっかり習得することで、他ジャンルのダンスに移行した際も、ステップの吸収が早くなり、怪我のリスクも減らすことができます。
特に、足のポジション、ターンアウト、体重移動の感覚は、どのダンスにも応用の利く重要な要素です。
バレエがダンスの基礎と呼ばれる理由は、この汎用性にあります。
バレエ特有の動きとしてだけでなく、ダンサーとしての身体づくりの視点からも、以下で紹介する基本の動きを理解しておくことが有益です。
立ち方とポジションの基本:体づくりの土台
どんなに高度な技を身につけたとしても、立ち方とポジションが崩れていれば、全体の印象は不安定で、怪我のリスクも高くなります。
バレエでは、足のポジションを第1から第5まで明確に定義し、それに合わせた腕のポジションや体の向きをセットで学びます。
この土台が整うことで、動きの種類が増えても、常に美しいラインを保つことができます。
正しいポジションは、単に決まった形を真似るだけでなく、骨盤、背骨、肩、頭の位置関係や、足裏のどこに体重を乗せるかといった、細かな身体感覚が問われます。
ここでは、初心者が最初に覚えておきたい足と腕のポジションの基本と、立ち方のチェックポイントを整理します。
5つの足のポジションの名称と特徴
バレエの足のポジションは、一般的に第1から第5までの5種類が基本とされています。
第1ポジションは、かかとをつけてつま先を左右に開いた形、第2ポジションは第1より左右に広く開いた形です。
第3、第4、第5ポジションは、片足を前に出し、かかととつま先の位置関係が異なる配置になります。
とくに第5ポジションは、両足のかかととつま先をしっかりとクロスさせるため、ターンアウトと足首の柔軟性、体幹の安定が求められます。
最初は完全な第5を目指すのではなく、自分の可動域の中で安全に開き、徐々に角度を広げていくことが大切です。
この5つのポジションを、バーにつかまりながら鏡で確認して反復することで、足元の基礎が安定していきます。
腕のポジションと体の引き上げ
腕のポジションも、バレエでは決まった名称と形があります。
多くのメソッドで共通するのは、アン・バーと呼ばれる下のポジション、アン・ナヴァンと呼ばれる前のポジション、アン・オーと呼ばれる頭上のポジションです。
肘を軽く丸く保ち、指先までエネルギーを通すことで、全身がひとつのラインとして美しく見えるようになります。
同時に重要なのが、体の引き上げです。
お腹と背中を使って上半身を伸ばし、胸を開きながらも腰を反らせすぎない状態を保つことで、肩が下がり、首筋が長く見えるようになります。
腕だけを動かすのではなく、体幹とつながった一体感を意識することで、どのポジションでも品のある立ち姿が完成します。
初心者が注意したい姿勢の癖と直し方
バレエ初心者に多く見られる癖として、膝が内側に入る、腰が反りすぎる、肩が上がる、あごが前に出るといった姿勢の乱れがあります。
これらは日常姿勢の癖がそのまま出てしまうため、意識的に修正していく必要があります。
とくに、ターンアウトを無理に広げようとして膝がねじれると、膝関節や股関節を痛める原因となります。
直し方としては、鏡を使いながら、足の付け根から外旋させるイメージでターンアウトを行い、膝とつま先の向きを一致させることが基本です。
腰は下腹部を引き込み、尾てい骨を軽く床に向けるような感覚で立つと、過度な反り腰を防ぐことができます。
こまめに動画を撮って確認するのも有効で、自分のクセを客観的に把握しながら修正していくことが上達への近道です。
足の曲げ伸ばしの基本:プリエとルルベ
バレエのほぼ全ての動きに登場するのが、プリエとルルベです。
プリエは膝を曲げる動き、ルルベはかかとを上げてつま先立ちになる動きで、ジャンプや回転、ステップの前後に必ずといってよいほど組み込まれています。
見た目はシンプルですが、正しく行うことで足首や膝、股関節を守り、体重移動をスムーズにする重要な役割を果たします。
特に大人からバレエを始めた方は、関節への負担を減らすためにも、これらの基本動作を正しいフォームで習得することが欠かせません。
ここでは、プリエとルルベの種類とポイント、そしてよくある間違いについて解説します。
ドゥミ・プリエとグラン・プリエの違い
プリエには、ドゥミ・プリエとグラン・プリエの2種類があります。
ドゥミ・プリエは膝を浅く曲げる動きで、踵は床につけたまま行います。
一方グラン・プリエは深くしゃがみ込むように膝を曲げる動きで、第1、第3、第4、第5ポジションではかかとが床から離れるのが一般的です。
ドゥミ・プリエは、ジャンプの踏み切りや着地、方向転換の準備動作として頻繁に登場します。
膝がつま先と同じ方向に曲がっているか、骨盤がまっすぐ保たれているかが重要なチェックポイントです。
グラン・プリエは股関節の可動域を広げ、脚全体の強さと柔らかさを養うための練習であり、正しいアライメントのもとで丁寧に行うことが求められます。
ルルベで鍛えられる足首と体幹
ルルベは、かかとを上げてつま先で立つ動きです。
バレエでは、片足で立つパッセやアラベスク、回転を支える軸足など、多くの場面でルルベの安定が求められます。
足首周りやふくらはぎの筋力だけでなく、体幹の引き上げが不足していると、ぐらつきやすくなります。
正しいルルベでは、足指で床をつかみすぎず、第1から第3関節までを均等に使って体重を支える意識が大切です。
また、膝を伸ばしきること、内もも同士を引き寄せる感覚を持つことで、脚全体が一本の柱のように安定してきます。
バーにつかまりながらルルベアップとダウンを繰り返す基礎練習は、日常的な足腰のケアにもつながります。
怪我を防ぐための膝と足首の使い方
プリエやルルベで最も注意したいのは、膝と足首への負担です。
膝がつま先より内側に入ったり、足首が内側や外側に倒れた状態で体重をかけると、靭帯や関節に過度なストレスがかかります。
とくにジャンプや回転の前後では、プリエの形が崩れがちなので、意識的な修正が必要です。
安全に行うためには、ターンアウトを欲張りすぎず、足裏全体で床を押す感覚を身につけることが重要です。
また、痛みが出始めた段階で無理をせず、レッスン量や強度を調整することも大切です。
正しいプリエとルルベは、怪我を防ぎつつ、より大きな動きや表現へとつながる基盤になります。
足さばきの基本:タンデュ・デガジェ・ロン・ドゥ・ジャンブ
バレエらしい滑らかな足さばきは、タンデュ、デガジェ、ロン・ドゥ・ジャンブといった基本の動きから生まれます。
これらは一見すると単純な足の出し入れですが、足裏で床を押す感覚や、股関節から脚を動かす意識を身につけるうえで非常に重要です。
しっかりと習得しておくことで、アダージオのようなゆったりした動きから、アレグロの速いステップまで、あらゆるフレーズが踊りやすくなります。
ここでは、それぞれの動きの特徴と役割、そして初心者が陥りがちなポイントを解説します。
同じ前や横への足の動きでも、強さや高さ、スピードによって名称やニュアンスが変わるため、違いを整理しておくことが大切です。
タンデュの基本とよくある間違い
タンデュは、足を床に滑らせながら前・横・後ろへ伸ばす動きです。
つま先は最後まで床についたまま、足裏全体で床を押し出すように動きます。
股関節から脚を長く伸ばすことで、足先までのラインが美しく整い、次のステップへの準備にもつながります。
初心者に多い間違いは、膝が曲がってしまう、足指だけで床をなぞる、腰が動いてしまうといった点です。
これを防ぐには、まず軸足の膝をしっかり伸ばし、骨盤を安定させた状態から、足の付け根を意識して動かすことが重要です。
バーを使い、鏡で横から見ながらゆっくり繰り返すことで、正しいフォームが身についていきます。
デガジェとグラン・バットマンの違い
デガジェは、タンデュと似ていますが、足を素早く床から離して少し浮かせる動きです。
つま先は伸ばしたまま、床から数センチの高さで前・横・後ろに弾むように出し入れします。
脚の素早い切り替えや、筋肉の瞬発力を養うのに適した練習です。
これに対し、グラン・バットマンは、脚を大きく振り上げる動きで、可動域とダイナミックさが求められます。
どちらも股関節の動きが重要ですが、デガジェは低い軌道での素早さ、グラン・バットマンは高さとコントロールがポイントになります。
いずれの場合も、腰がねじれたり、上半身がぐらつかないよう、体幹の安定を優先することが大切です。
ロン・ドゥ・ジャンブで股関節の可動域を広げる
ロン・ドゥ・ジャンブは、脚で円を描くように動かすステップです。
前から横、横から後ろへと脚を回すことで、股関節の外旋や内旋の感覚を養い、ターンアウトの維持にも役立ちます。
バー・レッスンでは、足先を床につけたパール・テールと、空中で行うアン・レールの両方が練習されます。
重要なのは、骨盤を大きく動かさずに、股関節から脚を回すことです。
無理に大きな円を描こうとすると腰が動いてしまいがちなので、自分の可動域に合わせて、滑らかにコントロールできる範囲から始めると良いでしょう。
継続して行うことで、脚を高く上げるアラベスクや、回転系の技にもつながる基礎力が育ちます。
方向転換と移動の基本:ポールドブラ・パ・ド・ブレなど
ステップとステップをつなぎ、踊り全体に流れを生み出すのが、方向転換と移動の動きです。
ポールドブラで上半身のラインを変え、パ・ド・ブレやシャッセで滑らかに移動することで、舞台上の空間を立体的に使えるようになります。
同じ足の動きでも、上半身の運び方が変わるだけで、表現の印象は大きく変化します。
ここでは、初心者が最初に覚えたい代表的な方向転換と移動の基本を解説し、簡単な比較表で整理します。
これらのステップは、ジャズダンスやミュージカルナンバーでも多用されるため、ダンス全般に役立つ知識となります。
ポールドブラで身につく上半身の表現力
ポールドブラは、腕と上半身の動きを組み合わせた一連の流れを指します。
アン・バー、アン・ナヴァン、アン・オーなどの腕のポジションをつなぎながら、頭や上体の傾き、視線の方向を変えることで、音楽のフレーズを視覚的に表現していきます。
単なる腕の振りではなく、体幹から腕が伸びていく感覚を持つことが大切です。
ポールドブラの練習を通して、肩の力を抜きつつ、胸を開くことが身につきます。
それによって、立っているだけでも気品のある雰囲気が出るようになり、踊り全体の完成度が上がります。
また、ポールドブラはアダージオなどゆっくりした曲調との相性が良く、音楽性を養ううえでも重要な要素です。
パ・ド・ブレとシャッセの違い
パ・ド・ブレとシャッセは、バレエの代表的な移動ステップです。
違いを分かりやすく整理すると、以下のようになります。
| 名称 | カウント | 動きの特徴 |
|---|---|---|
| パ・ド・ブレ | 概ね1・2・3 | 細かい3歩で方向転換やポジション移動を行う |
| シャッセ | 概ね1・2 | 片足を追いかけるようにスライドしながら移動する |
パ・ド・ブレは、片足を横または後ろに出し、他方の足を素早く移動させてポジションを変えるステップです。
3歩の中に体重移動が細かく含まれており、振付の中で方向を変えたり、次のポーズへのつなぎとして多用されます。
一方シャッセは、前後または横方向に滑らかに移動するステップで、膝を軽く曲げてプリエを使いながらリズムよく動くのが特徴です。
アラベスクやエポールマンとのつながり
方向転換や移動のステップは、アラベスクなどのポーズや、エポールマンと呼ばれる上半身の向きと組み合わさることで、よりドラマティックな表現になります。
アラベスクは片脚を後ろに伸ばし、上半身を前方へ伸ばしたポーズで、腕の位置や体のひねりによって複数のバリエーションがあります。
このとき、首や肩のラインを決めるのがエポールマンです。
パ・ド・ブレで位置を変えながらアラベスクに入る、シャッセからエポールマンを効かせたポーズに移行するなど、ステップとポーズを滑らかにつなぐ練習を行うことで、舞台上での見え方が大きく変わります。
単に動きを覚えるだけでなく、どの方向に体や顔を向けるかを意識することが、より芸術性の高い踊りにつながります。
回転の基本:ピルエットに向けた準備
バレエと聞いて多くの人がイメージする動きの一つが、片足で回転するピルエットです。
華やかで見栄えのする技ですが、いきなり本番の形を試すのではなく、バランス力やスポットと呼ばれる目線のコントロールを段階的に身につける必要があります。
ここでは、初心者が安全に回転の基礎を学ぶためのステップとポイントを紹介します。
回転は、ジャズダンスやコンテンポラリー、ミュージカルなど他ジャンルでも頻出する要素のため、原理を理解しておくと応用が利きます。
恐怖心を減らし、安定したピルエットへ近づくための考え方を整理していきましょう。
ピルエットの前に身につけたいバランス
ピルエットに挑戦する前に不可欠なのが、パッセバランスです。
片足で立ち、もう一方の足を膝の高さまで上げて、つま先を膝に軽く触れさせたポーズで静止する練習を行います。
このとき、軸足はルルベにしてもフラットにしても構いませんが、体幹の引き上げと支持脚の安定が重要になります。
バーにつかまりながら5秒、10秒と静止する練習を重ねることで、どの位置に体重を乗せればバランスが取れるのかが分かってきます。
上半身が傾いていないか、骨盤がねじれていないかを確認しながら反復することが、スムーズな回転への第一歩です。
この段階を丁寧に行うことで、ピルエットを回数だけ増やそうとして崩れるリスクを減らせます。
スポットの取り方と頭の使い方
回転中に目が回らないようにするために重要なのが、スポットというテクニックです。
これは、回転の最中も一点を見続けるように頭だけ素早く回して、視界をリセットする方法です。
体が回転しても、できるだけ長く同じ位置を見つめ、最後に頭を素早く振り戻して再び同じ地点を見る動きを繰り返します。
スポットの練習は、最初はその場でゆっくりと半回転、1回転から始めるとよいでしょう。
目線を床に落とさず、正面の少し上を見つめることで、姿勢が安定しやすくなります。
これが身についてくると、ジャズターンやコンテンポラリーの回転でも、軸がぶれにくくなり、見栄えのするターンが可能になります。
シングルピルエット習得のステップ
シングルピルエットを習得するためには、準備ポジションからの入り方、プリエの質、回転中の軸の維持、着地までの一連の流れを分解して練習することが重要です。
まずは第4または第5ポジションから、ドゥミ・プリエを使ってしっかり床を押し、ルルベに乗りながらパッセへ脚を引き上げます。
この瞬間にスポットを取り、体幹を引き上げたまま回転に入ります。
初心者段階では、回転の速さよりも、形を崩さずに1回転を丁寧に行うことを重視しましょう。
レッスンの中で、左右両方の方向でバランスや回転を練習することで、筋力の偏りを防げます。
焦らず基礎を積み重ねることで、将来的にダブル、トリプルへと発展させる土台が整っていきます。
ジャンプの基本:アレグロでよく使う動き
ジャンプは、バレエの中でも特に華やかでエネルギッシュな要素です。
アレグロと呼ばれる速いテンポのセクションでは、小さなジャンプから大きな跳躍まで、多様な種類のジャンプが登場します。
しかし、見た目の派手さとは裏腹に、その基本はプリエや足さばきといったごく基礎的な動きに支えられています。
ここでは、初心者が押さえておきたいジャンプの代表的な種類と、安全かつ美しく跳ぶためのポイントを解説します。
正しい踏み切りと着地を理解することで、膝や足首を守りつつ、空中でのラインを綺麗に見せることができるようになります。
スモールジャンプの基本:アッサンブレ・ジュテなど
スモールジャンプは、両足で跳んで両足で着地するサン・ド・シャや、片足から両足、両足から片足への着地など、多彩なバリエーションがあります。
中でも、アッサンブレやジュテはよく登場する基本的なジャンプです。
アッサンブレは片足で踏み切り、もう一方の足を空中で閉じて両足で着地する動きで、足を集めるという意味があります。
ジュテは、片足から片足へと跳び移る動きで、前方や横方向に軽やかに移動します。
いずれのジャンプも、踏み切り前のドゥミ・プリエでしっかり床を押し、空中でつま先と膝を伸ばしきることが重要です。
着地の際には再びプリエを使って衝撃を吸収し、次の動きへスムーズにつなげることを意識しましょう。
グラン・ジュテに向けた体の使い方
グラン・ジュテは、前後に脚を大きく開いて跳ぶ壮麗なジャンプで、多くの人が憧れる動きです。
しかし、いきなり大きく跳ぼうとすると、着地時に膝や腰を痛めるリスクがあります。
まずは、小さめのジュテで前後の脚の使い方や、上半身の姿勢を安定させる練習を重ねることが大切です。
グラン・ジュテでは、前脚の振り出しと後脚の蹴り上げ、そして上半身の引き上げが同時に行われます。
視線を遠くに保ち、胸を開きながら跳ぶことで、体全体が弧を描くように美しいラインになります。
着地の際には、前足からしっかりとドゥミ・プリエに入ることで、衝撃を吸収し、安全なジャンプが可能となります。
安全にジャンプするための着地のポイント
ジャンプで最も重要なのは、実は着地です。
つま先から中足、かかとの順に床に着き、膝と股関節のプリエで衝撃を吸収することで、関節への負担を軽減します。
真下に着地する意識を持ち、膝が内側に入らないように注意することが、怪我の予防につながります。
また、上半身を立てたまま着地することで、体重がまっすぐ足に乗り、ぐらつきを防げます。
疲れてくるとフォームが崩れがちなので、レッスン終盤こそ意識的に丁寧な着地を心がけましょう。
安全な着地の習慣が身につけば、よりダイナミックなジャンプにも安心して挑戦できるようになります。
初心者が基本の動きを練習するときのコツ
ここまで紹介してきた基本の動きは、どれも一度に完璧にこなす必要はありません。
むしろ、少しずつ丁寧に積み重ねることで、バレエならではの美しいラインとコントロールが育っていきます。
しかし、レッスンの受け方や自宅での復習方法を工夫することで、上達のスピードや安全性は大きく変わります。
最後に、初心者が基本の動きを練習する際に意識したいポイントと、効率的な上達のためのコツをまとめます。
大人から始める方や、他ジャンルと並行して学ぶ方にも役立つ視点です。
レッスン前後のウォームアップとクールダウン
バレエの基本動作は、関節の可動域を大きく使うため、レッスン前後のケアが欠かせません。
ウォームアップでは、足首回し、股関節のストレッチ、軽いスクワットやランジなどで、筋温を上げておくと動きが出やすくなります。
いきなり大きなプリエやグラン・バットマンに入るのは避け、徐々に可動域を広げていくことが大切です。
クールダウンでは、ふくらはぎ、太もも、股関節、背中など、使った筋肉を中心にゆっくりとストレッチを行います。
呼吸を深くしながら筋肉を緩めることで、翌日の疲労感を軽減し、怪我の予防にもつながります。
数分でも良いので、レッスン前後のケアを習慣化することが、長く踊り続けるための鍵となります。
自宅でできる基礎トレーニング
スタジオのレッスンに加えて、自宅で簡単にできる基礎トレーニングを取り入れると、上達が早まります。
例えば、壁に背中をつけて立ち、かかと、お尻、肩、後頭部が壁につくように姿勢を整える練習は、正しいアライメントの確認に役立ちます。
また、バー代わりに椅子の背を使い、ルルベアップダウンやタンデュをゆっくり行うだけでも、足元の強化になります。
体幹トレーニングとしては、プランクやサイドプランク、片足立ちのバランス練習などが有効です。
短時間でも継続することが重要で、毎日5分から10分程度の習慣づけでも、数か月後には確かな変化を感じられるはずです。
無理のない範囲で、自分のペースに合ったメニューを選ぶと良いでしょう。
他ジャンルのダンスへの応用の仕方
バレエの基本動作は、ジャズ、コンテンポラリー、ミュージカル、さらにはハウスやロッキンなどストリート系のダンスにも応用が可能です。
例えば、プリエで培った膝の柔らかい使い方や、ルルベのバランス力、ポールドブラによる上半身の表現は、どのジャンルでも役立ちます。
ヒップホップのアイソレーションやグルーヴと組み合わせることで、動きに奥行きが生まれます。
大切なのは、バレエの形をそのまま他ジャンルに持ち込むのではなく、身体の使い方の原理として活かすことです。
バレエで身につけた軸やラインを、自分の踊りのベースとして保ちながら、各ジャンルのスタイルに合わせて崩したり、リズムを変えたりすることで、表現の幅が大きく広がります。
基礎としてのバレエを理解しておくことは、オールラウンドなダンサーを目指すうえで大きな強みになります。
まとめ
バレエの動きには、立ち方やポジション、プリエとルルベ、タンデュやデガジェ、ロン・ドゥ・ジャンブ、方向転換や移動、回転、ジャンプといった、明確な基本の種類があります。
これらはそれぞれ独立した技術でありながら、バー・レッスンからセンター・レッスン、そして本番の振付へと段階的につながっています。
一つ一つの動きを体系的に理解することで、単なる形の暗記ではなく、身体の使い方として定着させることができます。
初心者のうちは、完璧さを求めるよりも、安全で無理のないフォームを優先し、少しずつ可動域や表現力を広げていくことが大切です。
バレエの基礎は、クラシック作品を踊るためだけでなく、ジャズやコンテンポラリー、ストリートダンスなど、他ジャンルへの応用にも直結する財産になります。
本記事で紹介した基本の動きの種類とポイントを参考に、自分のペースで着実にステップアップしていきましょう。
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