バレエを始めると必ず出てくるのがバーレッスンですが、順番や名前が多くて覚えにくいと感じる方は多いです。
レッスンの流れを理解できると、体の準備の仕方や上達のポイントがぐっとつかみやすくなります。
このページでは、クラシックバレエの代表的なバーレッスンの順番とエクササイズ名を、初心者にも分かりやすく整理して紹介します。
大人から始めた方や、子どもにバレエを習わせている保護者の方、指導者として体系的に整理したい方にも役立つように、基礎から専門的なポイントまで丁寧に解説していきます。
目次
バレエ バーレッスン 順番 名前をまず整理しよう
バレエのバーレッスンには、世界共通でよく用いられる基本的な順番とエクササイズの名前があります。
もちろんメソッドや教室により多少の違いはありますが、大枠の流れを理解しておくと、どのスタジオに行っても混乱せずにレッスンに参加しやすくなります。
ここではまず、代表的なエクササイズ名と、どのような順番で行うのかという全体像をつかむことを目的に整理していきます。
そのうえで各項目ごとの役割や体の使い方を理解すると、レッスンの質が大きく向上します。
バーレッスンのエクササイズ名はフランス語が中心で、意味を知ると動きのイメージがつかみやすくなります。
例えばプリエは「折りたたむ」、タンデュは「伸ばす」、バットマンは「打つ・蹴る」といった具合です。
名前の由来まで押さえておくと、単なる暗記ではなく、機能と結びついた理解ができ、振付を覚えるスピードも上がります。
以下で、よく用いられる基本的な順番を一覧にして確認していきましょう。
代表的なバーレッスンの流れの全体像
一般的な初級〜中級クラスのバーレッスンでは、以下のような流れがよく採用されています。
最初は体をゆっくり温め、徐々に可動域を広げ、最後にスピードとコントロールを高める構成になっています。
| おおまかな順番 | エクササイズ名 |
|---|---|
| 1 | プリエ |
| 2 | タンデュ |
| 3 | デガジェ(ジュテ) |
| 4 | ロンドゥジャンブ ア テール |
| 5 | フォンデュ |
| 6 | フラッペ |
| 7 | ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール |
| 8 | アダージオ(ドゥヴェロッペなど) |
| 9 | グラン・バットマン |
教室によっては、ストレッチやポール・ド・ブラから始めたり、アダージオをセンターで行う場合もありますが、ウォームアップから強度を高めていく流れは共通です。
メソッドによる違いと共通点
ロシア系のワガノワメソッド、イギリスのロイヤル系、フランス系、イタリア系など、メソッドによって音楽の取り方や順番に細かな違いがあります。
例えば、ワガノワでは初級クラスではエクササイズ数を絞り、学年が上がるごとに複雑なバットマンやポーデブラを追加していく体系が整理されています。
一方で、どのメソッドでも、プリエやタンデュなど基礎的なエクササイズは必ず入り、順番も大きくは変わりません。
そのため、ここで紹介する流れを押さえておけば、メソッドが異なる教室に移ったとしても、名称と目的を理解しながら対応することが可能です。
名前を覚えるコツとフランス語の意味
エクササイズ名を覚えるコツとして、フランス語の語源と動きのイメージをセットにして記憶する方法があります。
タンデュは「ぴんと伸びた」、デガジェは「外す・離す」、グラン・バットマンは「大きく打つ」といったように、意味から動きの方向や大きさが連想できます。
さらに、レッスン中に先生が使う方向の用語、例えばドゥヴァン(前)、ア・ラ・セゴンド(横)、デリエール(後ろ)などと組み合わせて理解すると、コンビネーションの指示が格段に聞き取りやすくなります。
ノートに日本語訳と動きの簡単な図やメモを残し、レッスン前後に見返す習慣をつけると、短期間で名前と内容が定着しやすくなります。
バーレッスンの基本姿勢とポジションの名前
エクササイズの順番ばかりに意識が向きがちですが、最も重要なのはその土台となる姿勢とポジションです。
バーに立ったときの体軸、骨盤の位置、足のポジションが安定していなければ、どんなに順番を覚えても動きが崩れ、ケガのリスクも高まります。
ここでは、バーレッスンのスタート時点で必ず確認したい基本姿勢と、足・腕のポジション名を整理しておきます。
名前と形を明確に理解しておくことで、先生の注意やカウントを正確に受け止められるようになります。
また、ジャズダンスやコンテンポラリーなど他ジャンルの基礎づくりとしてバレエを取り入れている方にとっても、ポジションの理解は共通言語となり、振付の吸収がスムーズになります。
立ち方・体の引き上げの基本
バーに向かう前に、まずは床にまっすぐ立ったニュートラルな姿勢を確認します。
頭頂からかかとまでが一本の線でつながるイメージで、耳・肩・腰・膝・くるぶしが横から見て一直線上に揃うように立ちます。
お腹は軽く背骨に引き寄せ、肋骨を開きすぎないようにしながら、胸はつぶさずに自然に持ち上げます。
体の引き上げとは、単に背筋をそらすことではなく、骨盤を安定させながら脚を床に押し下げ、上半身を上へ伸ばす力のバランスを指します。
これができていると、プリエやタンデュの際にも重心がぶれにくく、アンデオールも安全に保ちやすくなります。
呼吸を止めずに、みぞおちから頭頂までをふわっと長く保つ感覚を身につけることが大切です。
足の5つのポジションの名前と特徴
クラシックバレエでは、足の基本ポジションとして一般的に5つのポジションが用いられます。
アンデオール(外旋)を保ったまま、つま先の向きと足同士の位置関係で形が決まります。
| ポジション名 | 特徴 |
|---|---|
| 1番ポジション | かかととかかとをつけ、つま先を左右に開く。最も基本となるポジション。 |
| 2番ポジション | 1番から足を左右に開く。骨盤の幅を崩さず、体重は両足均等。 |
| 3番ポジション | 片足のかかとを、もう一方の足の土踏まずあたりにつける中間形。現在は使用頻度はやや少なめ。 |
| 4番ポジション | 前後に足を開き、かかととかかとが縦に並ぶ位置。オープンとクローズドの2種を使い分けることもある。 |
| 5番ポジション | 片足のかかとを、もう一方の足のつま先につける最もクロスしたポジション。 |
最初から無理に大きく開こうとすると膝や足首に負担がかかるため、股関節の可動域に合わせて少しずつアンデオールを育てていくことが重要です。
腕のポジションとポール・ド・ブラ
腕のポジションはメソッドによって呼び方や段階の数が異なりますが、多くの教室ではアン・バー(準備)、アン・ナヴァン(前)、アン・オー(上)を基礎として教えています。
アン・バーでは肘を軽く丸く保ち、指先は太ももから少し前方に置くイメージで、肩を下げ首まわりを自由にします。
ポール・ド・ブラとは、腕と上半身を連動させてポジションを移行させる動きの総称です。
単に腕を持ち上げるのではなく、背中の筋肉を使って腕を支え、呼吸と音楽に乗せてスムーズに形を変えていきます。
バーの最初にポール・ド・ブラを丁寧に行うことで、上半身の柔軟性と表現力を高める土台づくりができます。
プリエから始まるウォームアップ:最初のエクササイズ
多くのクラスでバーレッスンの最初に行われるのがプリエです。
プリエは全てのステップの基礎といわれるほど重要で、足首・膝・股関節を同時に曲げ伸ばしすることで、体を安全に温め、ジャンプや回転に必要なクッションの感覚を身につけます。
ここでは、デミプリエとグランプリエの違いや、音楽の取り方、よくある間違いについて整理します。
プリエをおろそかにすると、その後のタンデュやグラン・バットマンで重心が不安定になりやすくなります。
逆に、プリエの質を高めることで、センターレッスンやアレグロの安定感が格段に上がります。
最初のエクササイズだからこそ、集中して体を観察する時間として活用することが大切です。
プリエの意味と役割
プリエはフランス語で「折りたたむ」という意味を持ち、足首・膝・股関節を連動させて曲げる動きです。
バレエにおいては、ジャンプの着地や準備、ターンへの入り、方向転換など、あらゆる動きのクッションとして機能します。
バーレッスンでは、1番から5番までの各ポジションでプリエを行うことが多く、足のポジションごとに重心や股関節の感覚が微妙に変化します。
プリエの主な役割は、関節のウォームアップ、足裏の感覚の活性化、重心移動の練習、そして音楽性の養成です。
ゆっくりとしたカウントに合わせてスムーズに降り、床を押し上げるように立ち上がることで、筋肉の伸び縮みを丁寧に感じ取ることができます。
デミプリエとグランプリエの違い
デミプリエは、かかとが床から離れない範囲で膝を曲げる小さなプリエです。
足裏全体で床を押し続けることで、足裏のアーチや内転筋を目覚めさせる効果があります。
一方、グランプリエはかかとが自然に離れるところまで深く曲げる大きなプリエで、股関節の可動域と脚力を強化するとともに、体幹のコントロールがより強く求められます。
どちらの場合も、膝はつま先の方向にしっかりと開き、内側に入らないように注意します。
上半身は縦に伸び続け、腰が落ちてつぶれてしまわないように意識しましょう。
特にグランプリエでは、腰を反らせすぎたり、前に倒しすぎたりしないように、背骨全体を長く保つことがポイントです。
プリエで意識したい音楽と呼吸
プリエは単なるストレッチではなく、音楽に合わせて行うことでバレエらしい表現力を育てるエクササイズです。
多くの場合、4カウントまたは8カウントでゆっくりと降りていき、同じカウントで上がる構成が用いられます。
音楽のフレーズを感じながら、最後のカウントで完全に止まるのではなく、次の動きへ自然につながるように体をキープします。
呼吸は、曲げながら軽く吸い、伸びながら吐くなど、自分なりに一定のリズムを保つと動きが滑らかになります。
息を止めてしまうと肩が緊張しやすく、上半身が固まってしまうため、音楽に合わせた穏やかな呼吸を常に意識しましょう。
タンデュとデガジェ:足先を整える基本エクササイズ
プリエで体を温めた後は、床の上で足を伸ばす動きであるタンデュ、そして床から少し離すデガジェへと進むのが一般的です。
この2つのエクササイズは、足先のラインを整えるだけでなく、床を押す感覚や、重心を崩さずに脚だけを動かすスキルを養ううえで非常に重要です。
また、ジャズダンスやミュージカルなど、つま先のラインが求められるあらゆるジャンルの基礎にも直結します。
名前と動きが似ているため混同されがちですが、タンデュとデガジェは目的と使う筋肉の感覚が少し異なります。
違いを理解して練習することで、アレグロやグラン・バットマン、ピルエットの精度にも大きな差が生まれます。
タンデュの名前の意味と正しい出し方
タンデュはフランス語で「ぴんと張られた」「伸ばされた」という意味を持ちます。
足裏で床をすりながら前・横・後ろに足を出し、膝を完全に伸ばした状態でつま先だけが床に触れている形を作ります。
バーの初期段階から頻繁に登場する、最も基本的で重要なエクササイズの一つです。
正しいタンデュでは、足の指だけで前に伸ばすのではなく、もも裏や内もも、お尻の筋肉まで連動させながら、脚全体で床を押し出す感覚が必要です。
戻す時も、ただ引き戻すのではなく、床を「なでる」ように通過させることで、センターでのポジション移動やピルエットの準備につながる安定した動きが身につきます。
デガジェ(ジュテ)との違いとポイント
デガジェは「外す」「離す」といった意味を持ち、タンデュと同じ軌道を通りながら、最後につま先が床から少し離れるのが特徴です。
フロアから数センチ浮かせることで、より素早い脚さばきや足首の強化、ジャンプの予備動作としての弾みを養います。
教室によっては、同じ動きをジュテと呼ぶ場合もあり、レベルやコンビネーションの文脈で使い分けられることもあります。
デガジェでは、脚が床から離れても体幹をぶらさず、上半身を静かに保つことが大切です。
また、足を「持ち上げる」意識ではなく、床を強く押し出した結果、慣性で足先が軽く浮き上がるような感覚を目指すと、動きにキレが生まれ、アレグロへのつながりがスムーズになります。
タンデュとデガジェ練習時の注意点
タンデュとデガジェの練習では、つま先だけを器用に動かしてしまい、足首や膝がねじれてしまうケースが多く見られます。
常にアンデオールを意識し、股関節から外旋させること、そして膝を完全に伸ばしきることが重要です。
関節がロックしてしまう感覚がある場合は、筋力と柔軟性のバランスを見ながら、無理のない範囲で引き上げを意識します。
また、支え脚の安定も非常に大切です。
出している脚ばかりに意識が行くと、立っている側の膝が緩んだり、かかとが浮いたりしてしまいます。
鏡で自分の姿勢を確認しながら、両脚の働きのバランスを整えていきましょう。
ロンドゥジャンブとフォンデュ:股関節の可動域を広げる
バーレッスンの中盤で登場することが多いのが、ロンドゥジャンブとフォンデュです。
これらは股関節まわりの可動域を広げ、脚をさまざまな方向へコントロールして動かすためのエクササイズです。
柔軟性だけでなく、重心のコントロールや内側の筋肉の使い方を学ぶうえでも重要な役割を持っています。
特に大人からバレエを始めた方は、股関節の硬さやアンデオールの難しさを感じることが多いため、ロンドゥジャンブとフォンデュを丁寧に行うことで安全に可動域を広げていくことができます。
無理なストレッチではなく、動きの中でじわじわと広げていく考え方がポイントです。
ロンドゥジャンブ ア テールの意味と動き
ロンドゥジャンブは「脚の円運動」という意味で、ア テールは「床の上で」を表します。
つまりロンドゥジャンブ ア テールは、床に足先をつけたまま円を描くエクササイズです。
前から横、後ろへ、あるいは逆方向に、タンデュの通り道を使いながら滑らかな円を描いていきます。
この動きにより、股関節をあらゆる方向に動かしながら、アンデオールを保つ力を養います。
円が内側に縮こまったり、脚がぶれてしまわないように、軌道を常に一定に保つことが大切です。
体幹を安定させ、骨盤の高さを左右で変えないように意識しながら行いましょう。
フォンデュの名前の由来と目的
フォンデュは「溶ける」「とろける」という意味を持ち、支え脚と動かす脚の両方を同時にプリエにし、同時に伸ばす動きです。
動かす脚はク・ドゥ・ピエやパッセ、アティテュード、デヴェロッペなど、さまざまな形で行われます。
支え脚のコントロールと、動かす脚の表現力を同時に鍛える、少し難度の高いエクササイズです。
フォンデュの目的は、体重を片脚で支えながら、もう一方の脚を柔らかくコントロールする能力を育てることです。
丁寧なプリエを通して、ジャンプやアダージオの着地・準備の質を高める効果もあります。
動きの中でも常に上半身を引き上げ、脚だけが「溶ける」ように動くコントロールを目指しましょう。
ロンドゥジャンブとフォンデュでの注意点
ロンドゥジャンブでは、脚を高く上げることよりも、腰がねじれたり沈んだりしないことを優先すべきです。
股関節だけが独立して動いている感覚を大切にし、骨盤や上半身が脚の動きにつられて回らないように注意します。
また、つま先で床を押し続けることで、足裏のコントロールとアンデオールを保ちやすくなります。
フォンデュでは、支え脚の膝が内側に入ってしまうと膝関節に負担がかかります。
つま先の方向と膝の向きが常に一致するように意識し、深く沈みこむよりも、コントロールされたプリエを優先しましょう。
動かす脚に意識が集中しすぎないよう、体の中心を常に感じながら練習することが大切です。
フラッペ、ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール、アダージオ
バーレッスンの後半に入ると、より脚のスピードとコントロールを必要とするエクササイズが続きます。
フラッペは鋭い打ち込みの動き、ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールは空中での円運動、アダージオは大きくゆっくりとした動きのコントロールを鍛える内容です。
これらはセンターでのピルエットやグラン・アレグロに直結するため、難しくても省略せず丁寧に行うことが重要です。
特に、足首や内転筋、腸腰筋など、普段意識しづらい筋肉が多く動員されるため、最初は疲れやすく感じるかもしれません。
しかし、正しいフォームと負荷のかけ方を身につけることで、足元の安定感と上半身の自由度が大きく向上します。
フラッペで鍛えられる筋肉と使い方
フラッペは「打つ」という意味を持ち、ク・ドゥ・ピエなどの位置から素早く脚を伸ばし、ターゲット方向に「打つ」ように動かすエクササイズです。
足首のスナップと、前腿に頼りすぎない脚の伸ばし方を学ぶことができます。
特に小さなジャンプやアレグロで、素早く正確に脚を動かすための準備として非常に効果的です。
フラッペでは、動かす脚にばかり意識が行きがちですが、支え脚の安定と体幹の引き上げが重要です。
軸がぐらついていると、せっかくのスピードがコントロールできず、足だけがばたついた印象になってしまいます。
まずは小さな動きから、音楽に合わせて確実に打てるように練習しましょう。
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールの特徴
ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールは、「空中での脚の円運動」を意味します。
ア テールが床の上でのロンドに対して、アン・レールでは脚を一定の高さに保ったまま空中で円を描きます。
股関節の安定した外旋と、腸腰筋の強さ、脚を持ち上げ続けるための筋持久力が求められるエクササイズです。
脚を高く上げることを目標にするのではなく、腰が動かない範囲で円を保つこと、そしてアンデオールを崩さずに動かせる高さを見極めることが大切です。
最初は小さな円から始め、徐々に大きくしていくと、股関節の安定感と可動域がバランスよく育っていきます。
アダージオ(ドゥヴェロッペなど)の目的
アダージオとは、ゆっくりしたテンポの中でバランスとラインを見せる要素が強いエクササイズです。
バーレッスンでは、ポーズをゆっくりと移行させながら、ドゥヴェロッペなどの大きな脚の動きを組み合わせて行います。
支え脚の安定とコントロールされた呼吸、上半身のしなやかな表現力が同時に求められます。
アダージオの目的は、単に脚を高く上げることではなく、音楽の中でポーズとポーズの間を美しくつなぐことにあります。
筋力と柔軟性が不足している段階では、無理な高さを目指さず、自分がコントロールできる範囲で滑らかさと安定を優先して練習することが上達への近道です。
グラン・バットマンで締めくくるバーレッスン
バーレッスンの締めくくりとして行われることが多いのがグラン・バットマンです。
それまでのエクササイズで整えた姿勢やアンデオール、脚のコントロールを保ちながら、大きく脚を振り上げるダイナミックな動きです。
センターでのグラン・ジュテや大きなアレグロに直結する重要な土台となります。
脚を高く上げたいという気持ちが先行すると、腰を振り回してしまったり、上半身が崩れてしまいがちです。
正しい筋肉の使い方と、脚を戻す瞬間のコントロールを意識することで、美しく安定したグラン・バットマンに近づくことができます。
グラン・バットマンの意味と動き
グラン・バットマンは「大きく打つ」という意味で、片脚を前・横・後ろへ大きく振り上げるエクササイズです。
バットマンには他にも小さな振り上げ動作がありますが、グラン・バットマンは特にダイナミックな動きとして位置づけられます。
バーに手を添えた状態で行うことで、軸の安定を保ちやすく、脚の動きに集中しやすくなります。
グラン・バットマンの動きでは、足を遠くに伸ばす意識と同時に、素早くコントロールして元のポジションに戻す感覚が重要です。
上げた脚を「落とす」のではなく、床を感じながら丁寧に戻すことで、関節への負担を減らしながら筋力をしっかり鍛えることができます。
脚を高く上げるための安全なコツ
脚を高く上げるには、前腿の力だけでなく、股関節の前側にある腸腰筋や、お尻の筋肉、体幹のサポートが欠かせません。
無理に振り上げようとすると、腰を反らせすぎたり、お腹が前に突き出た状態になり、腰痛や股関節痛の原因となることがあります。
必ず引き上げとアンデオールを優先し、自分がコントロールできる高さで練習を重ねることが大切です。
柔軟性だけに頼るのではなく、ゆっくりとしたアダージオの中で、低い位置のドゥヴェロッペを安定して保てるようになることが、高いグラン・バットマンへの近道です。
補助的にフロアストレッチや筋力トレーニングを取り入れつつ、レッスンの中で少しずつ可動域を広げていきましょう。
バーレッスンの最後としての役割
グラン・バットマンは、バーレッスンの中で最もダイナミックな動きとして、筋肉と神経系を目覚めさせ、センターレッスンへの橋渡しをする役割を持っています。
ここまでで整えたポジションやアンデオールを保ちつつ、大きく動いても崩れないかどうかを確認するチェックポイントにもなります。
また、音楽に合わせて大きく動くことで、表現面での解放感を得ることができ、レッスン全体のテンションを高める効果もあります。
ただし疲労がたまった状態で無理に回数を増やすとフォームが崩れやすいため、質を重視して丁寧に行うことを意識しましょう。
教室によるバーレッスン順番の違いと応用
ここまで紹介してきたバーレッスンの順番は、クラシックバレエで一般的に採用されている流れですが、実際には教室やレベル、レッスンの目的によって構成が変わることも珍しくありません。
大人初心者クラスではエクササイズ数を絞ったり、プロを目指す上級クラスでは細分化されたエクササイズを追加したりと、柔軟にアレンジされます。
順番の違いを理解しておくと、新しいスタジオやワークショップに参加した際にも戸惑いが少なくなります。
また、ジャズやコンテンポラリー、ハウスなど他ジャンルのダンサーがバレエクラスを受講する場合にも、自分の目的に合った順番や内容を選ぶ判断材料になります。
メソッドごとの典型的な組み立て例
ワガノワ系のクラスでは、学年ごとにバーレッスンの内容と難易度が明確に段階づけされています。
初級の段階ではプリエ、タンデュ、デガジェ、ロンドゥジャンブ ア テールなど、基礎的な動きを中心とし、学年が上がるにつれてフラッペやロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール、アダージオのバリエーションが増えていきます。
ロイヤル系やフランス系のメソッドでも、全体の流れは似ていますが、音楽の取り方やポール・ド・ブラの指示、足の高さの基準などにそれぞれの特徴があります。
どのメソッドでも共通しているのは、ウォームアップから徐々に強度と複雑さを上げ、最後にダイナミックなエクササイズで締めるという構成です。
子どもクラスと大人クラスの違い
子どもクラスでは、筋力や集中力の発達段階を考慮して、バーレッスンの時間を短めにし、センターでのリズム遊びや簡単なジャンプを多めに取り入れることがよくあります。
プリエやタンデュも、カウントを少なめにし、ゲーム性やイメージを交えながら教えることで、楽しみながら基礎を身につける工夫がされています。
大人クラスでは、仕事や日常生活での体の使い方の影響を考慮し、ストレッチや体の説明に時間をかけることも多いです。
関節や筋肉の状態に応じて、グランプリエや深いフォンデュを控えるなど、安全性を重視したアレンジが加えられる場合もあります。
目的に応じた順番と負荷設定がされているかどうかは、教室選びの重要なポイントの一つです。
他ジャンルダンサー向けのバーレッスン活用法
ジャズダンスやヒップホップ、ハウス、コンテンポラリーなど、他ジャンルのダンサーにとっても、バーレッスンは軸とラインを整える優れたトレーニング手段です。
特に、ターンの安定や足先の表現力、体幹の引き上げといった要素は、ジャンルを問わず共通する重要なスキルです。
すべてのエクササイズを完璧にこなす必要はありませんが、プリエ、タンデュ、デガジェ、グラン・バットマンなど、基礎的な項目を継続して行うことで、動きのキレとコントロールが向上します。
各ジャンルの振付でどの要素が活かされているのかを意識しながらバーレッスンを受けると、より実践的な効果を実感しやすくなります。
バーレッスンの順番と名前を覚えるための実践的なコツ
ここまで見てきたように、バーレッスンには多くのエクササイズ名と決まった流れがあります。
最初のうちは「名前が覚えられない」「順番が頭に入らない」と感じるのは自然なことです。
しかし、いくつかのコツを取り入れることで、レッスンを重ねるごとに自然と体と頭に定着していきます。
単にテキストとして暗記するのではなく、動きや音楽、体の感覚と結びつけて覚えることで、実践で使える知識になります。
ここでは、学びを定着させるための具体的な工夫を紹介しますので、自分に合いそうな方法からぜひ試してみてください。
ノートや表で流れを可視化する
バーレッスンの順番と名前を整理するためにおすすめなのが、自分専用のレッスンノートを作る方法です。
レッスン後に、その日のバーレッスンの流れを書き出し、横に日本語訳や簡単な動きのメモを添えておきます。
慣れてきたら、メソッドごとの違いや、自分が苦手と感じたポイントも一緒に記録すると、復習が効率的になります。
| 順番 | 名前 | 日本語のイメージ |
|---|---|---|
| 1 | プリエ | 曲げる・折りたたむ |
| 2 | タンデュ | 伸ばす・床をなでる |
| 3 | デガジェ | 離す・軽く浮かす |
このような簡単な表を作るだけでも、全体像が整理されて頭に入りやすくなります。
口頭でフランス語名を唱えながら動く
名前を覚える最もシンプルで効果的な方法は、「見て・聞いて・言って・動く」をセットにすることです。
自宅でバー代わりの椅子などにつかまりながら、プリエ、タンデュ、デガジェと声に出して唱えつつ、シンプルな形で動きを確認します。
声に出すことで脳への定着が高まり、レッスン中に先生の指示がスムーズに理解できるようになります。
また、レッスン開始前のウォームアップとして、名前順に一通り軽く動いてみるのもおすすめです。
短い時間でも、毎回続けることで習慣化され、自然に順番と名前が身についていきます。
動画レッスンやオンライン講座の活用
最近は、オンラインでバーレッスンを解説する教材や動画レッスンも増えています。
スタジオレッスンだけでは聞き逃してしまった説明も、自宅で繰り返し視聴することで理解が深まります。
名前や順番を事前に予習しておくと、スタジオでのレッスンにより集中して取り組むことができます。
ただし、自己流で動画だけを見て練習すると、フォームの誤りに気づきにくいという面もあります。
スタジオレッスンとオンラインの学習を組み合わせ、先生の指摘を受けつつ理解を補完する形で活用すると、安全で効果的です。
まとめ
バレエのバーレッスンは、一見複雑で名前も難しく感じられますが、その流れには明確な意味と目的があります。
プリエで体を温め、タンデュやデガジェで足先と床との関係を整え、ロンドゥジャンブやフォンデュで股関節の可動域とコントロールを養い、フラッペやロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール、アダージオでより高度な筋力とバランスを鍛え、最後にグラン・バットマンでダイナミックな動きへとつなげていきます。
名前と順番を覚えることは、レッスンの効率を高めるための出発点にすぎません。
それぞれのエクササイズの役割と体の使い方を理解し、自分の目的やレベルに合わせて意識的に取り組むことで、上達のスピードは確実に変わってきます。
クラシックバレエはもちろん、ジャズやコンテンポラリー、ミュージカルなどあらゆるダンスジャンルの基礎として、バーレッスンを味方につけていきましょう。
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