ダンスのゲッダン(ゲットダウン)のやり方は?難易度と練習ステップを解説

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コラム

ヒップホップやストリートダンスでよく耳にするゲッダン(ゲットダウン)。
立った姿勢から一気に低いポジションに落とし、グルーヴを一気に高める重要なムーブです。
かっこよく決めたいけれど、やり方や難易度、安全に練習する方法が分からないという声も多く聞きます。

この記事では、ゲッダン初心者から経験者までを対象に、基本のフォーム、段階的な練習方法、膝や腰を痛めないコツ、音楽との合わせ方までプロ目線で丁寧に解説します。
自宅でもスタジオでも実践しやすいステップを紹介しますので、ぜひ身体を動かしながら読み進めてみて下さい。

目次

ダンス ゲッダン(ゲットダウン) やり方 難易度の全体像

ゲッダン(ゲットダウン)は、主にヒップホップやハウス、ロッキンなどストリートダンス全般で使われる「体を一気に低い姿勢へ落とす」動作の総称です。
単にしゃがむのではなく、音楽のビートに合わせて、重心・リズム・上半身のノリを一体化させて行うことで、振付全体の迫力を高める役割を持ちます。
難易度は「形だけ真似る」のか「グルーヴごと表現する」のかで大きく変わります。

この記事では、まずゲッダンの具体的なやり方の流れと、体力・柔軟性・リズム感など難易度を左右する要素を整理します。
そのうえで、怪我を防ぐための注意点、初心者から中級者へレベルアップする練習方法、音楽ジャンルごとの使い分けまで順に解説していきます。
全体像をつかめば、自分に合った練習ステップも見えやすくなります。

ゲッダン(ゲットダウン)とはどんな動きか

ゲッダンは、英語の「get down(腰を落とす、ノる)」から来ており、ダンスではビートに乗って体を低い姿勢へ切り替える動作を指します。
多くの場合、ビートの「ドン」に合わせて膝を深く曲げ、骨盤を落とし、重心を沈めた状態でリズムを刻みます。
そこから再び立ち上がる、あるいはフロアムーブにつなぐなど、振付の切り替えポイントになりやすい動きです。

ヒップホップでは、トップロックからゲッダンし、ロックやグルーヴを強調する使い方が多く見られます。
ハウスでは、ステップを刻みつつ低く沈むことでフロア感を出し、ロッキンでは、大きなアーム動作と組み合わせてダイナミックさを演出します。
このように、ゲッダンはスタイルによってニュアンスは変わりますが「低く落としてノる」という本質は共通しています。

ゲッダンのやり方を学ぶ前に知っておきたいポイント

ゲッダンを練習する前に理解しておきたいのが、膝と腰への負荷、そして重心コントロールです。
間違ったフォームで何度もしゃがんだり跳ねたりすると、膝関節や腰椎を痛めるリスクが高くなります。
特に、膝が内側に入る「ニーイン」や、つま先より膝が大きく前に出るフォームは要注意です。

また、ゲッダンは上半身のリラックスも鍵になります。
肩や首に余計な力が入っていると、下半身の動きが固くなり、リズムがギクシャクしてしまいます。
最初は、ゆっくりしたテンポの曲に合わせて、上半身をスウィングさせながら、膝を軽く曲げるだけの小さなゲッダンから始めると安全かつ効率的です。
フォームの基礎を押さえることが、その後の上達スピードを大きく左右します。

ゲッダンの難易度を左右する3つの要素

ゲッダンの難易度は、大きく分けて「筋力と柔軟性」「リズム感」「体重・体格」の3つの要素に左右されます。
まず、膝をしっかり曲げて腰を落とすためには、大腿四頭筋・ハムストリングス・お尻の筋肉・体幹の安定性が必要です。
柔軟性が不足していると、深く沈むほどフォームが崩れやすくなります。

次に、リズム感。音楽のどの拍で落ち、どの拍で戻るのかを体で理解していないと、単なるスクワットのように見えてしまいます。
最後に体重・体格。体重が重いほど膝への負担が増えやすく、反復回数にも影響しますが、重心が低い分、安定しやすいというメリットもあります。
これらの要素を踏まえ、自分の現在地を把握しながら練習計画を立てることが大切です。

ゲッダン(ゲットダウン)の基本動作と正しいフォーム

ゲッダンのやり方を理解するには、まず「基本フォーム」を正確に身につけることが必須です。
フォームが崩れたまま回数だけこなしても、かっこよく見えないばかりか、膝や腰を痛める原因になってしまいます。
ここでは、立ち姿勢からゲッダンへ入るまでの一連の流れを、体の各パーツごとに分解しながら解説します。

重要なのは、足幅・膝の向き・骨盤の位置・上半身の傾きのバランスを整えることです。
特にストリート系ダンスでは、少しルーズな印象を出しつつも、身体の軸はしっかり保つ必要があります。
正しいフォームを覚えると、どのジャンルの振付にゲッダンが出てきても、応用しやすくなります。

足幅と重心の置き方

基本の足幅は、肩幅から肩幅よりやや広めを目安にします。
つま先は、まっすぐか、少し外側へ開く程度にセットします。
このとき、体重をかかとだけに乗せず、母指球とかかとの中間あたりに乗せる感覚が大切です。
足裏全体で床をつかむイメージを持ちましょう。

ゲッダンで沈み込む際には、重心が前に流れ過ぎないよう注意が必要です。
お尻を少し後ろに引きながら腰を落とし、膝がつま先より少し内側に収まる位置を意識すると、安定感が増します。
鏡の前で、横から見たときに耳・肩・腰・膝がほぼ一直線上にあるか確認しながら行うと良いです。
足幅と重心の感覚は、何度も繰り返して身体に覚え込ませましょう。

膝と骨盤の正しい使い方

膝はつま先と同じ方向に曲げるのが基本です。
内側に入ると、膝の内側に大きなストレスがかかり、怪我の原因になります。
しゃがむ深さは、最初は浅めから始めて、徐々に深くしていくと安全です。
深く沈むほど難易度が上がるため、自分の筋力や柔軟性に合わせて調整して下さい。

骨盤は、軽く前傾、もしくはニュートラルを保ちます。
腰を反り過ぎて骨盤が前に倒れ過ぎると、腰を痛めやすくなりますし、逆に丸め過ぎると重心が後ろに逃げてバランスを崩しやすくなります。
お腹に軽く力を入れて、背骨をまっすぐに保ったまま、骨盤ごと真下にスライドさせるイメージで下降すると、きれいなラインになります。

上半身と腕のポジション

ゲッダンでは、下半身に意識が向きがちですが、上半身と腕のポジションが全体の見え方を大きく左右します。
背中は丸め過ぎず伸ばし過ぎず、リラックスした状態で、胸を軽く前に開きます。
頭が前に出ると重心が乱れるので、首の後ろを長く保ち、視線はやや遠くを見ると安定します。

腕は、スタイルによってさまざまですが、ヒップホップなら肘を軽く曲げて体側に構え、ゲッダンと同時に軽くスイングさせるとグルーヴが出ます。
ロッキンでは、ポイントやロックなどの基礎と合わせ、ゲッダンの瞬間にキメを入れることが多いです。
いずれにしても、腕は固めず、肩の力を抜き、下半身の動きに自然についていくように意識することが重要です。

初心者がやりがちなフォームの崩れ

初心者がよく陥るミスは、膝だけを急に曲げて腰を落とそうとすることです。
この場合、重心が前に流れ、かかとが浮いたり、膝がつま先より大きく前に出てしまい、膝関節への負担が大きくなります。
また、上半身を大きく前に倒し過ぎて、つぶれた姿勢になるのも見栄えが良くありません。

もう一つ多いのが、リズムを無視して「スクワット的に」アップダウンしてしまうパターンです。
ダンスのゲッダンは、常に音楽と一体であることが前提なので、フォームだけでなく、音のどこで沈むかを同時に意識する必要があります。
鏡を見ながら、音楽をかけて、動画を撮って客観的にチェックする習慣をつけると、フォームの崩れを早期に修正できます。

ゲッダンの難易度はどれくらい?レベル別の目安

ゲッダンの難易度は、ダンス経験や体力レベル、どこまで表現したいかによって大きく変わります。
ここでは、初心者・初中級・中級以上の3レベルに分けて、どの程度の負荷や技術が求められるのかを整理します。
自分のレベルを客観的に把握することで、無理なくステップアップできる練習計画を立てやすくなります。

あわせて、他の代表的なストリートダンスの基礎ムーブと比較した難易度も表にまとめます。
どの技から優先して取り組むべきかの判断材料にもなるはずです。
焦らず段階を踏むことが、結果的に最短の上達ルートにつながります。

初心者にとっての難易度とハードル

ダンス未経験、もしくは始めて半年程度の初心者にとって、ゲッダンは「フォームとリズムを両立させる」という点で難しく感じやすいムーブです。
特に、普段からしゃがむ動作に慣れていない方は、太ももやお尻の筋肉がすぐに疲れてしまい、数回続けただけで息が上がることも珍しくありません。

また、音楽を聴きながら、ビートに合わせて上下すること自体が初めての体験という人も多いです。
そのため、最初のハードルは「深くしゃがむこと」ではなく、「浅い可動域でいいのでリズムに合わせて安定して上下できるか」を目標に設定するのがおすすめです。
いきなりかっこよさを求めず、まず安全に動ける範囲を把握することが大切です。

中級者以上が感じる難しさ

ヒップホップやハウスの基礎がある程度身についている中級者以上にとっては、「沈むタイミングのニュアンス」と「音楽的なバリエーション」が難しさのポイントになります。
同じゲッダンでも、どの拍で落ちるか、どれくらいの深さまで沈むか、戻り方をどうするかで、印象が大きく変わります。

また、ショーやバトルレベルでは、短い時間で体力を大きく消耗するため、持久力も問われます。
長い振付の中で何度もゲッダンが登場すると、後半ほどフォームが乱れやすくなり、見た目のクオリティが落ちてしまうので、体力と集中力の両方が必要です。
中級者は、「深さ」「タイミング」「表情や上半身の余裕」といった細部のクオリティを追求していく段階と言えます。

他のステップとの難易度比較

ゲッダンを他の代表的なストリートダンス基礎ムーブと比較すると、難易度の特徴が見えてきます。
ここでは一例として、感覚的な難易度を表にまとめます。
あくまで目安ですが、自分の練習の優先順位を考える参考になるはずです。

ムーブ名 主なジャンル 難易度の目安 ポイント
アップ・ダウン 全般 易しい リズム取りの基本。膝の曲げ伸ばしが中心。
ゲッダン ヒップホップ他 やや難しい 深い屈伸と重心コントロールが必要。
ランニングマン ヒップホップ 中程度 足さばきと上半身の連動がポイント。
ピボットターン ジャズ他 中程度 回転バランスと軸感覚が必要。
フロアムーブ ブレイキン他 難しい 筋力と柔軟性、床との接地が重要。

このように、ゲッダンは基礎リズムより一段階上、フロアムーブよりは易しい中レベルの難易度に位置付けられます。
基礎リズムに慣れてきた段階で取り入れると、全体の表現力を一気に引き上げやすい動きと言えるでしょう。

ゲッダンのステップ別やり方解説(カウント付き)

ここからは、実際にゲッダンを踊るための具体的なやり方をカウント付きで解説します。
いきなり深くしゃがむのではなく、「浅いゲッダン」から始めて、徐々に深さとスピードを増していく段階練習が効果的です。
それぞれのステップで意識すべきポイントを押さえながら、実際に体を動かしてみて下さい。

ここでは、4カウントと8カウントのパターンを基本に説明します。
テンポの違う曲にも応用できるよう、カウントと体の動きの対応を理解しておくと便利です。
鏡の前でゆっくり確認しながら進めると、フォームの定着が早くなります。

基本の4カウントゲッダン

まずは最もシンプルな4カウントのゲッダンから始めます。
足は肩幅、つま先はやや外向きで準備姿勢に立ちます。
上半身はリラックスし、軽くリズムを取りながらスタートしましょう。

1カウント目:軽く膝を曲げて、重心をわずかに下げます。
2カウント目:さらに膝を曲げ、腰を落として一番低いポジションへ。
3カウント目:膝を伸ばし始め、腰を上げていきます。
4カウント目:ほぼ元の高さまで戻り、軽く弾むようにリズムを取ります。

ポイントは、2カウント目が一番低くなるように上下のリズムを作ることです。
最初は、膝の曲げ幅を浅めにして、上下のタイミングが安定することを目標にして下さい。
慣れてきたら、2カウント目で少し深めに沈み、4カウント目で少しアップを強調するなど、強弱をつけていきましょう。

音楽に合わせた8カウントのバリエーション

次に、実際の曲でよく使われる8カウントのパターンを紹介します。
4カウント同様、2や4、あるいは1や3など、落とすタイミングは曲や振付によって変わりますが、ここでは代表的な例を示します。

1:立ち姿勢で軽くアップ(体を少し上に弾く)
2:ダウン(少し膝を曲げる)
3:アップ
4:ダウン(ここでやや深めに)
5:さらに深く沈んで、ゲッダンの一番低いポジション
6:少し上げる
7:さらに上げる
8:元の高さへ戻る、もしくは次のステップへ移行

このように、「通常のアップダウン」から徐々に深いゲッダンへ移行し、数カウントかけて戻るパターンは、多くの振付で活用されています。
ポイントは、5カウントで一番深く沈み、その前後で徐々に高さを変化させるグラデーションを意識することです。
ただ上下するだけでなく、「落差」と「流れ」を表現することで、より音楽的なゲッダンになります。

ジャズ・ハウス・ロッキンでの使い方の違い

ゲッダンはヒップホップだけでなく、ジャズ、ハウス、ロッキンでも頻繁に用いられます。
ただし、スタイルごとに音の取り方や上半身の使い方が異なるため、同じ「腰を落とす動き」でも見え方がかなり変わります。
ここでは各ジャンルの特徴を簡潔に整理します。

ジャズでは、ターンやジャンプの前後でゲッダンを挟み、レベル差を強調する使い方がよく見られます。
膝の曲げ伸ばしを滑らかに行い、背筋を長く保ちつつ、ラインの美しさを重視します。
ハウスでは、ステップと同時進行でゲッダンを行うことが多く、足さばきと重心移動がポイントです。
浅めのゲッダンを連続して行いながら、フロア感を演出します。

ロッキンでは、ゲッダンの瞬間にロック(体を固めるキメ)を入れるなど、ビートヒットの要素が強くなります。
腰を落とすタイミングで腕や胸のアクセントを同時に合わせることで、音への食いつきが強調されます。
このように、ジャンルごとの意識ポイントを理解すると、同じゲッダンでも使い分けができ、表現の幅が広がります。

安全にゲッダンを行うためのストレッチと筋トレ

ゲッダンは膝や腰を大きく曲げる動きが中心となるため、準備不足のまま繰り返すと怪我のリスクが高まります。
特に、普段あまり運動をしていない人や、デスクワーク中心の生活をしている人は、太ももや股関節周りが硬くなっていることが多く、いきなり深く沈むのは危険です。

ここでは、ゲッダン前後に行いたいストレッチと、フォーム安定に役立つ基本的な筋トレを紹介します。
どれも特別な器具を必要とせず、自宅で行いやすい内容です。
少しの準備を習慣化するだけで、動きの安定感とキレが大きく変わります。

膝と股関節を守るストレッチ

まず優先したいのは、太ももの前側(大腿四頭筋)、裏側(ハムストリングス)、お尻の筋肉、股関節周りのストレッチです。
立位または寝た状態で、片膝を曲げてかかとをお尻に近づけるストレッチは、大腿四頭筋を伸ばす基本の方法です。
無理に引き寄せず、心地よい張りを感じる程度で20〜30秒キープしましょう。

股関節には、開脚ストレッチや、あぐらの姿勢で膝を上下にゆらすバタフライストレッチが有効です。
また、四つ這いになり片足を前に出して腰を沈めるランジストレッチは、股関節の前側を大きく伸ばすことができます。
これらをウォームアップとして行うことで、ゲッダン時の可動域が広がり、膝への負担も軽減されます。

太もも・お尻・体幹を鍛える筋トレ

安定したゲッダンには、太ももとお尻、体幹の筋力が欠かせません。
代表的なトレーニングとしては、スクワット、ランジ、ヒップリフト、プランクなどが挙げられます。
特にスクワットは、ゲッダンの動きと非常に近いため、フォーム作りにも直結します。

スクワットを行う際は、ゲッダンと同様に膝の向きと骨盤の位置に注意しながら、浅めの可動域から始めます。
10回を1セットとして、無理のない範囲で2〜3セット、週に2〜3回継続すると、数週間で下半身の安定感に変化が出てきます。
体幹トレーニングとしてのプランクは、30秒〜1分程度を目安にキープし、反り腰にならないようお腹を引き上げる感覚を身につけましょう。

ウォームアップとクールダウンの流れ

ダンス練習に入る前のウォームアップ、終わった後のクールダウンをルーティン化しておくと、怪我予防に大きく貢献します。
ウォームアップでは、軽いジョグやその場足踏み、ジャンプ、肩回しなどで心拍数を上げ、筋肉と関節を温めます。
その後に、先述のストレッチを動きを伴う形(ダイナミックストレッチ)で行うと効果的です。

練習後のクールダウンでは、心拍数を徐々に落としながら静的ストレッチを中心に行います。
ゲッダンで酷使した太ももやふくらはぎ、股関節、お尻を重点的に伸ばし、呼吸を整えます。
この習慣があるかどうかで、翌日の筋肉痛や疲労感、長期的な怪我リスクが大きく変わるため、数分でも良いので毎回必ず行うことをおすすめします。

初心者向け:ゲッダン上達のための練習ステップ

ゲッダンは、一度に全てを完璧にしようとすると挫折しやすいムーブです。
しかし、段階的に要素を分解して練習すれば、初心者でも無理なく上達できます。
ここでは、自宅でもスタジオでも取り組める、シンプルかつ効果的な練習ステップを紹介します。

大切なのは、フォーム、リズム、音楽への適応を別々に練習し、最終的に統合していくことです。
これにより、身体への負担を最小限にしつつ、表現力を高めることができます。
焦らず、自分のペースで繰り返し練習していきましょう。

鏡を使ったフォームチェック練習

最初のステップは、音楽なしでフォームだけを確認する練習です。
鏡の前で立ち、足幅・つま先の向き・膝の方向・腰の位置・背中のラインを一つずつチェックします。
ゆっくりと腰を落としていき、横から見たときに体の軸が前後に傾き過ぎていないかを確認しましょう。

可能であれば、スマートフォンで動画を撮影し、自分の動きを客観的に見ると、鏡だけでは気づかなかった癖が分かりやすくなります。
膝が内側に入っていないか、かかとが浮いていないか、上半身がつぶれていないかなど、チェックポイントをメモしておくのも有効です。
この段階では、鏡に映るシルエットの美しさを重視し、スピードや回数は二の次で構いません。

メトロノームを使ったリズム練習

フォームの感覚がつかめてきたら、次はメトロノームやリズムアプリを使って、一定のテンポで上下する練習をします。
最初はBPM80〜90程度のゆっくりしたテンポから始め、1拍ごとに軽くアップダウンするところからスタートします。

慣れてきたら、2拍で1回のゲッダン(1拍で沈み、次の拍で戻る)、4拍で1回のゲッダンなど、いくつかのパターンを試してみましょう。
テンポを一定に保ちながら上下することで、余計な力みが抜け、動きの滑らかさが増していきます。
メトロノーム練習は地味に感じますが、リズム感を育てるうえで非常に有効なトレーニングです。

遅い曲から始める実践練習

メトロノームに慣れたら、実際の音楽を使った練習に移行します。
このとき、いきなり速いヒップホップやハウスの曲ではなく、ゆったりめのR&Bやスローテンポのヒップホップを選ぶと良いです。
まずは、曲を通してひたすら「2拍目、4拍目で軽くゲッダン」を繰り返してみましょう。

曲に慣れてきたら、サビだけ少し深めに沈む、バース部分は浅めにするなど、パートごとに強弱をつけてみて下さい。
このように、音楽の構成に合わせてゲッダンの深さや回数を変えることで、よりダンスらしい表現になります。
最終的には、振付の一部として自然に組み込めるレベルを目指します。

よくある疑問Q&A:ゲッダンの悩みを解消

ゲッダンの練習を始めると、多くの人が同じような疑問や悩みにぶつかります。
ここでは、レッスン現場でよく質問される内容をQ&A形式でまとめました。
フォームや体力、年齢、体型に関する不安を解消し、自分なりのペースで楽しく続けていくためのヒントにして下さい。

一人で練習しているとつまずきやすいポイントも、多くはごく自然な現象です。
原因と対処法を知っておくだけで、無用な不安や挫折感を減らすことができます。

Q1:膝が痛くなるのはなぜ?

ゲッダンで膝が痛くなる主な原因は、フォームの崩れと、筋力や柔軟性不足の状態で深くしゃがみ過ぎていることです。
膝がつま先より大きく前に出ている、膝が内側に入っている、かかとが浮いている、といった状態は膝関節への負荷を高めます。

まずは、しゃがむ深さを浅くし、正しいフォームを優先して下さい。
痛みが出た場合は無理をせず、その日はストレッチやウォークなど負担の少ない動きに切り替えます。
慢性的な痛みや違和感がある場合は、ダンスに限らず専門家の診断を受けることも検討して下さい。
自己判断で痛みを我慢し続けるのは避けるべきです。

Q2:体力に自信がない人でもできる?

体力に自信がない方でも、ゲッダンは工夫次第で十分に楽しめます。
ポイントは、「回数」「深さ」「テンポ」を自分の体力に合わせて調整することです。
例えば、1曲丸ごとゲッダンを入れるのではなく、1曲のうち8カウントだけ、サビの一部だけなど、限定的に取り入れる方法があります。

また、週に数回、短時間の練習を継続することで、徐々に下半身の持久力が向上し、楽に感じられるようになります。
呼吸が大きく乱れたら一度休憩し、水分補給をしながら少しずつ時間を伸ばしていきましょう。
ダンスは長期戦ですので、短期間で無理に追い込む必要はありません。

Q3:年齢や体型による影響はある?

年齢や体型は、ゲッダンの難易度に一定の影響を与えますが、「できない理由」になる必要はありません。
年齢を重ねると筋力や柔軟性が低下しやすいため、より丁寧なウォームアップとクールダウン、負荷のコントロールが重要になります。
深さよりも、「安全な範囲でリズムに乗ること」を優先しましょう。

体型についても同様で、体重が重いほど膝への負担は増えますが、その分重心が安定しやすいというメリットもあります。
深くしゃがむことをゴールにするのではなく、自分が心地よく続けられる範囲を見つけることが大切です。
年齢や体型に関わらず、正しい知識と段階的な練習があれば、ゲッダンを取り入れたダンスを十分に楽しむことができます。

まとめ

ゲッダン(ゲットダウン)は、ヒップホップやハウス、ロッキン、ジャズコンテンポラリーなど、さまざまなジャンルで活躍する「腰を落としてノる」重要なムーブです。
難易度は中程度ですが、フォーム、リズム、筋力・柔軟性といった要素が複合的に関わるため、段階的な練習が欠かせません。

この記事では、基本フォームのポイント、4カウントと8カウントのやり方、安全のためのストレッチと筋トレ、初心者向け練習ステップ、よくある疑問への回答まで幅広く解説しました。
大切なのは、深さよりもまず「安定したフォーム」と「音楽との一体感」を優先することです。
自分の体と相談しながら、少しずつ可動域と表現力を広げていけば、ゲッダンは必ずあなたのダンスを一段上のレベルへ引き上げてくれます。
焦らず、楽しみながら練習を続けてみて下さい。

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