ダンスがうまくなりたいのに、リズムに乗り切れない、タイミングがずれる、という悩みを抱えていないでしょうか。ジャズやヒップホップ、ハウス、タップなど、どのジャンルでも上達のカギを握るのがリズムトレーニングです。
本記事では、最新のダンス教育の知見を踏まえながら、リズムトレーニングの具体的な効果と、自宅やスタジオで実践できる練習法を詳しく解説します。今日から取り入れられる方法ばかりなので、ぜひ最後まで読んで、あなたのダンスの土台を一気に底上げしていきましょう。
目次
ダンス リズム トレーニング 効果とは何か
まず押さえておきたいのは、ダンスにおけるリズムトレーニングの効果が、単にテンポに合わせる力だけでなく、身体全体のコントロールや表現力、さらには疲れにくさにまで関わっているという点です。
スタジオレッスンでは振付を覚えることに意識が向きがちですが、プロの世界ではリズム感そのものを鍛える時間を意図的に設けることが一般的になっています。これは、リズム感が上達スピードや表現の幅に直結することが、多くの指導現場で確認されているからです。
リズムトレーニングを継続することで、音楽のビートを素早くキャッチし、体の各パーツをバラバラにコントロールできるようになります。その結果、ヒップホップのグルーブやジャズのアクセント、ハウスのフットワークなど、ジャンル特有のノリが自然に出せるようになっていきます。
リズムの土台が整うと、難しいコンビネーションに挑戦しても崩れにくくなり、人前で踊る際の安心感も大きく高まります。
リズム感とは何を指すのか
ダンスでいうリズム感は、単にメトロノームのテンポに合わせて動ける能力ではなく、ビート、拍、グルーブ、アクセントといった複数の要素を総合的に感じ取り、身体で表現する力を指します。
例えば、ヒップホップでは表拍と裏拍の感じ方、ジャズではスウィングのノリ、ハウスでは滑らかなフロウと足さばきなど、求められるリズムの質が異なります。リズム感が優れているダンサーは、これらの違いを瞬時に感じ分け、身体の使い方を自動的に切り替えています。
また、最新の研究や教育現場では、リズム感は先天的な才能ではなく、後天的に鍛えられるスキルとして扱われています。拍を数える力、音の強弱を聞き分ける力、体の内側でビートを刻む感覚などを分解し、それぞれをトレーニングすることで、誰でも段階的にリズム感を育てることができます。
この視点を持つことで、自分にはセンスがないと感じていた人も、トレーニング次第で確実に変化できると理解しやすくなります。
リズムトレーニングがダンス上達に直結する理由
リズムトレーニングがダンス上達に直結する最大の理由は、振付を覚えるスピードと精度が大幅に向上するからです。ビートの取り方が安定してくると、先生の動きを見た瞬間に、どの拍でどの動きをしているかを素早くキャッチできるようになります。
これにより、単純暗記ではなく、音楽とセットで振付を理解することができ、レッスン後に振りを忘れづらくなるという効果も期待できます。
さらに、リズムトレーニングによって身体の内部に一定のテンポ感が備わると、緊張した場面でも動きがぶれにくくなります。ステージやバトル、本番のパフォーマンスで緊張しても、内側に刻まれたビートが支えとなり、安定した踊りがしやすくなります。
プロのダンサーやコレオグラファーが口をそろえてリズムトレーニングの重要性を説くのは、このような実戦的な効果を実感しているからです。
どのジャンルにも共通するリズムトレーニングの価値
ジャズダンス、ヒップホップ、ジャズコンテンポラリー、ハウス、ロッキン、タップなど、一見スタイルの異なるジャンルでも、基礎となるリズム感は共通しています。表拍と裏拍の感覚、カウントを崩して遊ぶタイミング、音をあえて外す間の取り方など、音楽の骨格を理解する力は全ジャンルに必要です。
特に近年は、複数ジャンルをミックスした振付が増えているため、どのスタイルにも通用するリズムの基礎体力が重視されています。
例えば、タップで養った細かな足のビート感は、ハウスのフットワークにも活かせますし、ロッキンで培う強いアクセントは、ヒップホップコンビネーションに厚みを与えます。このように、一度リズムのベースが育つと、ジャンルをまたいで応用が利くため、新しいスタイルに挑戦しても習得が早くなります。
その意味で、リズムトレーニングは特定のジャンルのためだけではなく、ダンサーとしての総合力を底上げする投資といえます。
リズムトレーニングで得られる主な効果
リズムトレーニングの効果は多岐にわたりますが、大きく分けると、テンポキープ能力の向上、グルーブの獲得、身体コントロールの精度アップ、表現力の強化、そしてメンタル面の安定などがあります。
これらは互いに関連しており、ある要素が伸びると他の要素にも好影響を及ぼします。そのため、リズムトレーニングを習慣にすると、短期間では気づきにくいものの、中長期的にはダンス全体のレベルが底上げされていきます。
また、リズムトレーニングは年齢や経験に関係なく取り組めるのも特徴です。ダンスを始めたばかりの方はもちろん、長年踊っている方が基礎を見直す目的で行っても、大きな発見があります。
ここでは、代表的な効果をいくつかに分けて整理し、それぞれ具体的にどのような変化が期待できるのかを解説していきます。
テンポキープとカウント感覚の向上
リズムトレーニングを続けると、まず実感しやすいのがテンポキープの向上です。曲を流さずにメトロノームやクラップだけでも、一定のテンポで体を動かし続けられるようになります。
これは、スタジオの音響環境が変わったり、音が聞き取りにくい状況でも、自分の中のテンポを基準に踊れるという大きな強みになります。
また、1エイトを8等分する感覚や、16ビート、3連、5拍子など複雑なリズムパターンに対する理解も深まります。これにより、振付のカウントを細かく把握できるようになり、音取りのバリエーションが増えます。
結果として、レッスンでも先生の説明が早く理解でき、振り写しの時間を有効に使えるようになります。
グルーブとノリの向上
ダンスにおいて、上手さとカッコよさを分ける大きな要素がグルーブです。グルーブとは、単にビートに合っているだけでなく、音楽と体が一体になっているかのような、うねりやノリのことを指します。
リズムトレーニングでは、ビートの少し前に乗るのか、後ろに乗るのか、どのくらい溜めてから動き出すのかといった、時間の微妙なずらしを身体で覚えていきます。
特にヒップホップやハウスでは、このグルーブの差がそのままダンサーの魅力の差につながります。リズムトレーニングを通じて、頭だけでなく体でグルーブを理解していくことで、同じ振付でも説得力のある踊りになりやすくなります。
周囲から急にノリが良くなったと言われるようになるのは、リズムトレーニングの代表的な成果の一つです。
身体コントロールと分離の向上
リズムトレーニングでは、手だけ、足だけ、胸だけ、頭だけといったように、体の各部位をバラバラのタイミングで動かすメニューを行うことが多くなります。これにより、アイソレーションの精度が上がり、複数のリズムを同時に扱うポリリズム的な動きにも対応しやすくなります。
例えば、足は一定のビートを刻みつつ、上半身で別のアクセントを入れるといった動きが滑らかにできるようになります。
この身体コントロールの向上は、ジャズコンテンポラリーのように全身を大きく使うスタイルや、タップのように精密な足さばきが求められるスタイルにも大きく影響します。
コアが安定しながらも末端が自由にリズムを刻めるようになることで、踊り全体が立体的に見え、観客の目を引く表現が可能になります。
表現力と音楽解釈の深まり
リズムトレーニングによって音楽の構造を深く理解できるようになると、ただ振付通りに動くだけでなく、自分なりの解釈を乗せた表現ができるようになります。
例えば、同じカウントであっても、どの音を強調するのか、どこに間を置くのかを選べるようになり、振付家の意図を汲み取りつつ、自分らしさを加える余地が広がります。
さらに、音楽のフレーズ感や曲展開を感じながら踊れるようになることで、作品全体を通したドラマ性を意識しやすくなります。これは特に、ジャズコンテンポラリーやシアターダンスのようにストーリー性が強いジャンルで大きな武器になります。
単なるテクニックの披露ではなく、観客の心を動かすパフォーマンスを目指すうえで、リズムトレーニングは欠かせない要素です。
集中力とメンタル面への良い影響
一定のテンポに集中して体を動かし続けるリズムトレーニングは、メンタルトレーニングとしても有効です。音と体のシンクロに意識を向けることで、雑念が減り、集中状態に入りやすくなります。
また、コツコツと続けることで小さな成長を実感しやすく、それが自己効力感の向上につながります。
本番前にシンプルなリズムエクササイズを行うことで、緊張をほぐしながら集中力を高めるルーティンとして活用しているダンサーも多くいます。
このように、リズムトレーニングは技術面だけでなく、パフォーマンス時の心の安定や、緊張との付き合い方にも良い影響をもたらしてくれます。
自宅でできるリズムトレーニングの具体的な方法
スタジオに行けない日でも、自宅でできるリズムトレーニングを取り入れることで、上達のペースを落とさずに済みます。最近はオンラインレッスンやアプリの普及により、自宅トレーニングの選択肢が増えており、短時間で効果的にリズム感を鍛える方法が多数提案されています。
ここでは、特別な機材や広いスペースがなくても取り組める、実用的なトレーニングを紹介していきます。
ポイントは、長時間やるよりも、毎日少しずつ継続することです。5分から10分程度でも、正しい方法で集中して行えば、数週間で変化を感じられるケースは多くあります。
今のライフスタイルに無理なく組み込める形で、日々の習慣としてリズムトレーニングを取り入れていきましょう。
メトロノームとクラップを使った基礎トレーニング
最もシンプルで効果的なのが、メトロノームを使ったクラップトレーニングです。スマホアプリのメトロノームで好みのテンポを設定し、クリック音に合わせて手拍子を打ちます。最初は4分音符で表拍を感じ、その後に裏拍、8分、16分など、徐々に細かいリズムにも挑戦していきます。
重要なのは、音と完全に重ねるのではなく、自分のタイミングを安定させる意識を持つことです。
慣れてきたら、足踏みとクラップを組み合わせる、体重移動を加える、上半身のアイソレーションを同時に行うなど、体全体を使う形に発展させていきます。これにより、スタジオでのリズムワークにスムーズにつなげることができます。
シンプルなトレーニングほど、毎日の積み重ねが効いてくるため、基礎として継続する価値が高い方法です。
ステップを使った自宅フットワーク練習
ダンスのリズム感は、上半身だけでなく足元の安定にも大きく影響されます。自宅でもできるシンプルなステップを使い、メトロノームや楽曲に合わせてフットワークのリズムを鍛えることが有効です。
例えば、ヒップホップのベーシックステップやハウスの簡単なステップを、テンポを変えながら反復することで、足でビートを刻む感覚が整っていきます。
狭いスペースでもできるよう、前後左右の移動を最小限にしつつ、その場での足さばきを工夫するのがポイントです。足だけでなく、膝、股関節、体重移動を意識しながら行うことで、グルーブと安定感が同時に鍛えられます。
鏡やスマホのカメラでチェックすると、音と動きのズレや癖を客観的に確認でき、修正しやすくなります。
音楽を使ったリズム聞き分けトレーニング
リズム感を高めるには、体を動かすだけでなく、音楽を聞き分ける耳を鍛えることも重要です。ヘッドホンやスピーカーで好きな曲を流しながら、どこにキック、スネア、ハイハット、ベースが鳴っているかを意識的に聞き分ける練習を行います。
最初は手でそれぞれの楽器のリズムを叩いてみたり、口でリズムをなぞるだけでも構いません。
慣れてきたら、足でキックのリズム、手でスネアのリズムというように、複数のリズムを同時に表現することに挑戦します。これはポリリズム的な感覚を育てるのに役立ち、複雑な振付でも音に置いていかれにくくなります。
耳からの情報処理能力が上がることで、新しい曲に出会ったときの対応力も高まり、 improvisation やフリースタイルにも良い影響が出てきます。
アプリやオンライン教材を活用した最新トレーニング
近年は、音楽教育やダンス教育向けに設計されたリズムトレーニングアプリやオンライン教材が充実してきています。画面に表示されるリズムに合わせてタップしたり、拍を外さずに叩けているかをフィードバックしてくれるものもあり、自宅でも楽しく継続しやすい環境が整っています。
これらをうまく活用することで、一人でのトレーニングでも客観的な指標を得ることができます。
ただし、アプリや教材はあくまでツールであり、実際のダンス動作と結び付けていくことが重要です。画面上のトレーニングで得たリズム感を、ステップやコンビネーション練習に落とし込むことで初めて、ステージ上で役立つスキルになります。
自分に合ったツールを選びつつ、ダンスの実践とセットで使っていくことが効果を最大化するコツです。
ジャンル別に見るリズムトレーニングのポイント
同じリズムトレーニングでも、ダンスのジャンルによって意識するべきポイントや、優先して鍛えたい要素は少しずつ異なります。
ここでは、代表的なスタイルごとに、リズムトレーニングで特に重視したいポイントを整理していきます。複数ジャンルを踊る人にとっても、自分の中でスイッチを切り替えるヒントになるはずです。
リズムの傾向を頭で理解しつつ、実際の動きの中で体感していくことで、それぞれのジャンルのらしさをよりクリアに表現できるようになります。
以下の表は、各ジャンルで特徴的なリズムの意識ポイントをまとめたものです。
| ジャンル | 重視するリズム要素 | 代表的なトレーニング |
|---|---|---|
| ヒップホップ | 裏拍、重心の落とし方 | クラップとステップのコンビネーション |
| ジャズ / ジャズコンテンポラリー | アクセント、フレーズ感 | カウント崩しとスウィングの練習 |
| ハウス | 16ビート、足と上半身の分離 | フットワークとグルーブの反復 |
| ロッキン | シャープなアクセント | ポイントとヒットのタイミング練習 |
| タップ | 細分化されたビート、ポリリズム | 足音でのリズム構築 |
ヒップホップで意識したいビートとグルーブ
ヒップホップでは、キックとスネアが作るビートに対して、いかに重心を乗せるかがノリの決め手になります。特に裏拍への乗り方と、ビートの少し後ろに落とすようなグルーブ感が重要です。
リズムトレーニングでは、メトロノームやドラムループに合わせて、2拍目と4拍目を強く感じながらステップを踏む練習が役立ちます。
ベーシックステップを繰り返す際も、単に足を動かすのではなく、膝と股関節のクッション、上半身の揺れ、体重移動のタイミングを細かく意識していきます。
これにより、同じステップでも深みのあるグルーブが生まれ、音楽への乗り方が自然と変わっていきます。
ジャズ・ジャズコンテンポラリーのアクセントとフレーズ
ジャズやジャズコンテンポラリーでは、音楽のフレーズ感とアクセントの置き方が表現の鍵になります。単にカウント通りに動くのではなく、旋律やコード進行がどのように流れているかを感じながら、動きの強弱や長短をコントロールすることが求められます。
リズムトレーニングとしては、カウントをあえてずらしたり、音を伸ばす部分と切る部分を明確にする練習が有効です。
また、スウィング感を伴う楽曲では、3連系のノリを体で感じ取ることが必要です。足のステップや上半身のスウェイを使って、二つ目の音を少し後ろに引きずるようなタイム感を練習していきます。
これにより、振付全体に流れと躍動感が生まれ、音楽と一体となったドラマティックな表現が可能になります。
ハウスダンスのフットワークと16ビート
ハウスダンスでは、細かく刻まれる16ビートのリズムに対して、滑らかなフットワークと上半身のグルーブを両立させることが重要です。足元は忙しく動いていても、上半身は余裕を持って音に乗っているように見せる必要があります。
リズムトレーニングでは、一定のテンポでシンプルなステップを繰り返しつつ、裏拍やシンコペーションを意識する練習が効果的です。
特に、足と上半身の分離を鍛えることがハウス特有のノリを身につける近道です。足で細かくリズムを刻みながら、胸や肩でゆったりとした波を描くような動きを組み合わせることで、立体的なグルーブが生まれます。
このバランス感覚は、他ジャンルのリズム表現にも応用できる貴重なスキルとなります。
ロッキンのキメとリズムの取り方
ロッキンでは、シャープなポイントやストップ、リリースといったキメのタイミングが非常に重要です。同じ振付でも、キメの瞬間がビートと完全に合っているかどうかで、印象が大きく変わります。
リズムトレーニングとしては、音源のスネアやクラップに合わせてポイントを繰り返す、カウント指定でストップとポーズを組み込むなど、瞬発力とタイミングを鍛えるメニューが有効です。
また、ロッキンはグルーブも豊かで、単に硬く止まるだけでなく、緩急の使い分けが求められます。ビートの間で体をゆらしながら、キメの瞬間だけを鋭く切り取るリズム感を養うことで、スタイルの特徴をより鮮明に打ち出すことができます。
このタイム感は、ポップやヒップホップのアクセントにも良い影響を与えます。
タップダンスで培われる高度なリズム感
タップダンスは、足音そのものが楽器となるスタイルであり、最も高度なリズム感が要求されるジャンルの一つです。単純な4分音符だけでなく、3連、6連、ポリリズムなど、多様なリズムを足元だけで表現していきます。
この過程で身につく時間感覚や、細分化されたビートの処理能力は、他ジャンルのダンスにも大きなアドバンテージをもたらします。
タップのリズムトレーニングでは、足だけでリズムを組み立てるエクササイズに加え、上半身の姿勢やバランスを維持しながら複雑なパターンを踏む練習が行われます。
これにより、身体全体でリズムを支える感覚が育ち、どんなジャンルを踊ってもタイミングがブレにくいダンサーへと成長していきます。
初心者と経験者で異なるリズムトレーニングの進め方
リズムトレーニングの基本原則は同じですが、初心者と経験者では重点を置くポイントや進め方が変わってきます。
自分のレベルに合ったアプローチを選ぶことで、無理なく、かつ効果的にリズム感を伸ばすことができます。ここでは、ステージや年齢にかかわらず活用できる考え方を整理していきます。
大切なのは、難しいことをするよりも、自分が今確実にできることを丁寧に積み重ねることです。
それぞれのフェーズで意識したいポイントを理解し、段階的にステップアップしていくことで、着実な成長を実感しやすくなります。
ダンス初心者が最初に身につけるべきリズムの基礎
ダンス初心者にとって最初のハードルは、音楽に合わせて継続的に体を動かすことです。まずは4分音符で1、2、3、4と数えながら、手拍子と足踏みを合わせる練習から始めます。
慣れてきたら、1から8までのカウントで1エイトを意識し、音楽のフレーズとカウントの関係を感じ取っていきます。
この段階では、複雑なリズムパターンよりも、テンポに遅れたり走ったりしないことを重視します。鏡の前でベーシックステップを繰り返しながら、自分がどの拍で動き始めているかを確認する習慣をつけると良いでしょう。
基礎が安定してくると、レッスンで先生の説明がぐっと理解しやすくなります。
中級者以降が意識すべきリズムの細分化と遊び
ある程度踊れるようになってきた中級者以降は、リズムを細分化して捉える力と、あえてカウントを外して遊ぶ感覚を育てるフェーズに入ります。
8分、16分、3連、シンコペーションなど、同じテンポでもさまざまな刻み方があることを体で理解していきます。
例えば、同じステップを4分、8分、16分と刻みを変えて踏んでみる、カウントを1つずらしてスタートしてみるなど、時間軸を操作する練習が効果的です。
これにより、振付の中で微妙なタメや前ノリ、後ノリを自在に使い分けることができ、踊りの表情が格段に豊かになります。
子どもと大人での取り組み方の違い
子どもと大人では、リズムトレーニングの入り口が少し異なります。子どもは遊びやゲームの要素を取り入れた方が集中力を保ちやすく、自然にリズム感を身につけやすい傾向があります。
一方、大人は身体のコントロールや理解力が高いため、音楽理論の基本やカウントの構造を説明しながら進めると、効率よく吸収できるケースが多く見られます。
どちらの場合も、成功体験を積み重ねることが継続の鍵です。できた感覚をこまめに確認しながら、無理のないレベル設定でステップアップしていくことが大切です。
年齢にかかわらず、適切な方法を選べばリズム感は十分に伸ばすことができます。
独学とスタジオレッスンをどう組み合わせるか
リズムトレーニングは独学でも進められますが、スタジオレッスンでのフィードバックと組み合わせることで、効果は一段と高まります。
自宅ではメトロノームや音源を使った基礎トレーニングに集中し、スタジオでは先生や他のダンサーと一緒に音の取り方やノリを確認するという役割分担が有効です。
特に、独学では気づきにくい癖やタイム感のズレは、外部の目で見てもらうことで修正しやすくなります。スタジオで得たアドバイスを自宅トレーニングに持ち帰り、次のレッスンまでにブラッシュアップしていくサイクルを作ることで、リズム感の成長スピードを大きく高めることが可能です。
リズムトレーニングの効果を最大化するコツ
同じ時間リズムトレーニングをしても、取り組み方次第で得られる効果には大きな差が生まれます。
ここでは、プロのダンサーや指導者の現場で重視されているポイントをもとに、トレーニングの質を高めるためのコツを紹介します。少し意識を変えるだけでも、体の反応や上達のスピードが変わってきます。
重要なのは、量よりも質を重視し、常に音と体の関係性を観察しながら練習することです。
具体的な目標を設定しつつ、無理のないペースで続けていくことで、リズムトレーニングの効果を最大限に引き出せます。
継続しやすい練習スケジュールの作り方
リズムトレーニングは、一度集中的に行うよりも、短時間でも継続することが大切です。最初から長時間のメニューを組むのではなく、毎日5分から10分程度でできるメニューを用意し、生活リズムに組み込むことを目指しましょう。
例えば、朝の支度前や就寝前、レッスン前後など、決まったタイミングに固定すると、習慣化しやすくなります。
週単位でテーマを決めるのも有効です。今週は裏拍、次の週は16ビート、その次はグルーブなど、フォーカスを絞ることで、改善点を自覚しやすくなります。
スケジュールはあくまで目安とし、体調や忙しさに応じて柔軟に調整しながら、長期的に継続できる形を模索していきましょう。
メンタルブロックを外す考え方
リズム感に苦手意識を持っている人の中には、自分にはセンスがないと決めつけてしまっているケースが少なくありません。しかし、音楽教育やダンス教育の現場では、リズム感は後天的に育てられるスキルとして扱われています。
この事実を理解することが、メンタルブロックを外す第一歩になります。
トレーニングの際には、できない部分だけに目を向けるのではなく、小さな成長や手応えを意識的に確認していきましょう。昨日よりもテンポが安定した、前よりも裏拍が分かりやすくなった、などの変化に気づくことが、自信につながります。
メンタル面のしなやかさは、リズムトレーニングの継続と上達を支える重要な要素です。
動画撮影とフィードバックの活用
スマホで自分の練習を撮影し、後からチェックすることは、リズムトレーニングの質を高めるうえで非常に有効です。撮影時には、メトロノームやはっきりしたビートの音源を使用し、自分の動きと音のズレを客観的に確認します。
そのうえで、どの拍で遅れやすいのか、アクセントの位置が適切かなどを分析していきます。
慣れてきたら、同じ振付を別の日にも撮影し、以前の動画と比較してみましょう。小さな変化でも可視化されることで、モチベーション維持につながります。
必要であれば、信頼できる指導者や仲間に動画を見てもらい、具体的なフィードバックをもらうことで、更なる改善点を見つけることができます。
ケガ予防とコンディショニングへの配慮
リズムトレーニングは一見負荷が少ないように思えますが、同じ動きを繰り返すことで特定の関節や筋肉に負担がかかる場合があります。
特にフットワーク系の練習では、足首や膝、腰への負担に注意が必要です。トレーニング前後にはストレッチや軽いウォームアップ、クールダウンを行い、体の状態を整えておきましょう。
また、疲労が溜まっていると集中力が低下し、タイム感も乱れやすくなります。無理に長時間練習するのではなく、体調に応じて強度や時間を調整することが大切です。
コンディション管理を含めてトレーニングと捉えることで、長期的に安定してリズム感を磨き続けることができるようになります。
まとめ
ダンスにおけるリズムトレーニングの効果は、テンポキープやノリの向上だけでなく、身体コントロール、表現力、メンタル面の安定にまで広がっています。
ジャズ、ヒップホップ、ジャズコンテンポラリー、ハウス、ロッキン、タップなど、どのジャンルでもリズムの土台が整うことで、振付の理解が深まり、ステージ上での説得力が増していきます。
自宅でも取り組めるメトロノーム練習やステップ練習、音楽の聞き分け、アプリの活用など、環境に合わせて選べる方法は豊富にあります。
初心者はカウントとテンポの安定から、中級者以降はリズムの細分化やグルーブの遊びへと、段階的に進めていくことで、無理なくスキルアップが可能です。
重要なのは、短時間でも良いので継続することと、自分の変化を客観的に確認することです。動画撮影やレッスンでのフィードバックを活用しながら、リズムトレーニングを日々の習慣として取り入れていきましょう。
リズムの基礎体力がつけば、どんなジャンルにも対応できるダンサーとしての土台が整い、ダンスライフ全体がより豊かで充実したものになっていきます。
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