ダンス初心者の覚え方とコツ!振付を効率よく暗記する方法

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コラム

ダンスの振付をなかなか覚えられない、レッスンについていけない、そんな悩みを抱える初心者の方はとても多いです。
しかし、プロのダンサーも最初は全員初心者で、効率のよい覚え方とコツを知ることで、暗記スピードは大きく変わります。
この記事では、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、ロッキン、ジャズコンテンポラリー、タップなど、ジャンルを問わず共通する振付の覚え方を、最新の知見も取り入れて専門的に解説します。
今日から実践できる具体的なテクニックを、分かりやすく段階的に紹介しますので、ぜひ最後まで読んでレッスンに役立ててください。

目次

ダンス 初心者 覚え方 コツを押さえるための基本マインド

ダンス初心者が振付の覚え方やコツを身につけるうえで、最初に整えたいのがマインドセットです。
技術的なテクニックだけを追いかけても、心構えが整っていないと、プレッシャーや焦りで効率よく覚えることができません。
特に、スタジオレッスンでは周りと比べて自信を失いやすく、せっかくの学びの機会がストレスになってしまうこともあります。
ここでは、上達が早い人に共通する考え方や、失敗との向き合い方など、基礎となるマインドを整理してお伝えします。
この土台があるだけで、同じ練習時間でも吸収率が大きく変わります。

また、心理学やスポーツ科学の研究でも、ポジティブな自己認識と具体的な目標設定が、技能習得のスピードを上げるとされています。
ダンスも同じで、自分の成長を正しく評価し、小さな変化を楽しむ姿勢が重要です。
完璧主義になりすぎず、一つひとつの動きを積み上げていく過程そのものを味わう意識を持つことで、振付の暗記も安定していきます。

完璧主義を手放し「7割できればOK」と考える

初心者が振付を覚えられない最大の理由の一つは、最初から100パーセント完璧を目指してしまうことです。
全てのカウント、全てのニュアンスを同時に再現しようとすると、脳への情報量が多すぎて処理しきれません。
その結果、パニックになったり、レッスン中に頭が真っ白になってしまいます。
そこでおすすめなのが、まずは7割できればOKと自分に許可を出すことです。
全体の流れと大きな方向性が合っていれば合格とし、細かい角度や重心は後から調整していきます。

このように優先順位をつけることで、脳の負担が軽くなり、動きの流れが体に入りやすくなります。
上達が早いダンサーは、初回のレッスンで振付をざっくり体に入れ、次回以降の復習でニュアンスを詰めるというステップを自然に行っています。
最初から全てを完璧に覚えようとするのではなく、段階的に精度を上げるプロセスを意識することが、結果的に最短ルートになります。

自分の成長を「前の自分」と比較する

スタジオでは、周りの経験者や上手な人と自分を比べてしまいがちです。
しかし、比較の対象が他人ばかりだと、どれだけ練習しても常に自分が劣っているように感じ、モチベーションの低下につながります。
重要なのは、昨日の自分、先週の自分、初めてダンスを始めたときの自分と比べることです。
例えば「前は8カウントで止まっていた振付が、今日は16カウントまでつながって踊れた」という変化を認識するようにします。

小さな変化を言語化して記録すると、成長を客観的に確認できます。
スマホで動画を撮っておき、定期的に見返すのも有効です。
時間をおいて自分の踊りを見返すと、そのときはできていなかった部分が今は自然にできていることに気づくことが多く、それが次のチャレンジへのエネルギーになります。
他人は他人、自分は自分という軸を持つことで、焦りが減り、振付の暗記にも余裕が生まれます。

「できない時間」も上達のプロセスだと理解する

ダンスの振付がなかなか覚えられないと、できない自分を責めたくなりますが、できないと感じる時間こそ、脳が新しい動きを構築している大切なプロセスです。
スポーツや楽器演奏の研究では、うまくいかない試行錯誤の時間が、多くの神経回路の形成に関わっていることが示されています。
ダンスの振付も同様で、何度も間違えながら反復する中で、体と頭が少しずつリンクしていきます。

つまり、レッスン中に「難しい」「混乱している」と感じる瞬間は、成長の入口だと捉えることができます。
できない自分を評価するのではなく、「今まさに新しいスキルをインストール中だ」と認識を変えてみてください。
この視点を持つことで、精神的な負担が軽減され、集中力も持続しやすくなります。
結果として、同じ量を練習しても、吸収できる情報量が増え、振付の定着スピードが上がっていきます。

ダンス初心者が振付を覚えるためのステップ分解法

ダンス初心者にとって、振付を覚える際の最大のポイントは、情報を細かく分解し、段階的にインプットすることです。
多くの人は、振付を最初から最後まで一気に暗記しようとして挫折してしまいますが、プロの現場では、カウントやフレーズ単位で動きを整理することが基本になっています。
ここでは、振付を効率よく分解する具体的な方法を紹介し、頭と体の両方に無理なく情報を入れるやり方を解説します。

このステップ分解法は、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、ロッキン、ジャズコンテンポラリー、タップなど、ジャンルを問わず応用できます。
さらに、分解の仕方を覚えておけば、今後どのスタジオやインストラクターのレッスンを受けても、自分なりの整理方法で振付を吸収しやすくなります。
一度身につければ、ダンス人生全体の基礎スキルとなる重要な考え方です。

まずはカウントごとに区切って「塊」で覚える

振付を覚える最小単位は、一般的に8カウントです。
音楽は8拍のまとまりで構成されることが多く、振付も8カウント単位で構成されるケースがほとんどです。
レッスン中に振付を教わるときは、まず1〜8カウント、次に9〜16カウントというように、塊として認識することを意識しましょう。
このとき、すべての動きを詳細に記憶しようとするのではなく、「大きな方向」「レベルチェンジ」「リズムの質感」といった大枠をつかむことが大切です。

例えば、1〜8カウントは右方向に移動しながらダウンのリズム、9〜16カウントはその場でアップのリズムで上半身中心、というように、要約したイメージを頭に描きます。
細かい手の角度や顔の向きは、後で何度も反復する中で自然に体に入ってきます。
まずはカウントの塊としての特徴をシンプルにまとめることで、情報が整理され、次のカウントにもスムーズに進めます。

右と左、上半身と下半身を切り分けて覚える

初心者にとって難しい振付は、多くの場合、同時に行う要素が多すぎることが原因です。
手と足、頭の向きやリズムの取り方などを一度に処理しようとすると、動きが混乱してしまいます。
そこで有効なのが、右と左、上半身と下半身など、体のパートを意識的に分けて練習する方法です。
まずは足だけを正確に動かし、その後で上半身と手を重ねていくという順番を意識します。

特にヒップホップやハウス、ロッキンでは、フットワークと上半身のグルーヴが別々のリズムで動くことが多く、初心者には負荷が高くなりがちです。
まずは足のステップを正確に踏めるようになるまで繰り返し、無意識にできる状態にしてから、上半身を追加するようにすると、全体が崩れにくくなります。
ジャズやジャズコンテンポラリーでも、腕のラインより先に体の移動と方向転換を安定させておくと、全体の構成を理解しやすくなります。

振付をストーリーや言葉に置き換える

人間の記憶は、単なる動きの羅列よりも、意味やストーリーが付与された情報の方が残りやすいとされています。
振付を覚えるときも、動きを物語や連想しやすい言葉に置き換えることで、記憶に定着しやすくなります。
例えば、「右にスライドして胸を開く」動きを「ドアを開けるイメージ」、「胸を内側に入れて丸める」動きを「冷たい風に当たってちぢこまる」といったように、具体的な状況に紐付けていきます。

ジャズコンテンポラリーでは、感情表現と動きを結びつけることで、ストーリーとして振付を覚えやすくなりますし、ヒップホップでは、歌詞の言葉に動きのアクセントをリンクさせる方法も有効です。
自分なりのニックネームや擬音をつけて記憶するのも良いでしょう。
このような言語化を行うことで、振付の流れを頭の中で再生しやすくなり、レッスン後の復習にも役立ちます。

似た動きは「パターン」としてまとめて認識する

振付の中には、少し形を変えただけの似たパターンが繰り返し使われることが多くあります。
例えば、方向だけが変わるステップや、手の高さだけが違うウェーブなどです。
こうした動きを1つずつ別々に覚えようとすると負担が大きくなりますが、「同じパターンのバリエーション」としてまとめて認識することで、暗記効率が一気に上がります。

レッスン中に「さっきのステップの向き違い」「さっきの動きのスピード違い」といった視点で整理していくと、動きの構造が見えてきます。
これはどのジャンルにも共通する考え方で、ロッキンならロックのかけ方のパターン、ハウスなら基本ステップのバリエーションなど、核となるパターンを押さえることで応用がしやすくなります。
振付の全体を「パターンの組み合わせ」として捉えられるようになると、新しいコンビネーションにも対応しやすくなります。

効率よく覚えるための自宅練習と復習のコツ

スタジオのレッスン時間だけで振付を完璧に覚えきるのは、初心者にとってはかなり難易度が高いです。
実際に上達が早い人は、レッスン後の復習や自宅での自主練習をうまく活用しています。
ここでは、限られた時間で最大限の効果を出すための、効率的な復習と自宅練習の方法を紹介します。
特別な機材や広いスペースがなくてもできる内容に絞っていますので、日常生活の中に取り入れやすいはずです。

また、最新のダンス教育では、レッスンと自宅練習を「反転学習」のように組み合わせる考え方が活用されています。
レッスンで新しい情報をインプットし、自宅で反復して定着させるというサイクルを回すことで、振付の暗記スピードと体へのなじみ方が飛躍的に向上します。

レッスン直後の「ゴールデンタイム復習」を逃さない

記憶の定着には時間が大きく関係しており、新しく学んだ内容は、学習後すぐに復習することで長期記憶に残りやすくなります。
この学習直後の時間は、記憶のゴールデンタイムとも言われ、特に重要なタイミングです。
ダンスの振付も例外ではなく、レッスンが終わってから30分〜1時間以内に、簡単でもよいので復習を行うことで、暗記の効率が大幅に上がります。

スタジオのロビーや自宅に戻ってから、動画を見返しながら頭の中で振付を再生したり、狭いスペースで上半身だけでも動きをなぞってみるだけでも効果があります。
ポイントは、完璧に踊ろうとするのではなく、「どの順番でどんな動きが出てきたか」をざっくり思い出すことです。
このひと手間を習慣にすることで、次のレッスンまでに忘れてしまう量が減り、毎回ゼロから覚え直すという負担を軽減できます。

自宅では「小さい動き」と「イメトレ」を組み合わせる

自宅ではスタジオほどのスペースが確保できない場合も多く、ジャンプや大きな移動を伴う振付をそのまま再現するのは難しいことがあります。
そのようなときは、大きな移動を小さなステップに置き換えたり、その場での重心移動に変換して練習します。
重要なのは、カウントと動きの順番、体のパーツの連動を確認することであり、必ずしも本番と同じスケールで踊る必要はありません。

また、実際に体を動かす練習と並行して、頭の中で振付を再生するイメージトレーニングも有効です。
スポーツ心理学の研究では、イメトレだけでも運動パフォーマンスが向上することが知られており、ダンスにも応用できます。
ベッドの上や移動中に、音楽を聴きながら自分が踊っている映像を思い浮かべることで、カウントと動きのセットが強化されます。

動画撮影とセルフチェックのポイント

最近は多くのスタジオで、レッスンの最後に動画撮影の時間が設けられています。
自分の動画を活用するかしないかで、振付の定着度は大きく変わります。
動画を見るときは、単に「うまく踊れていない部分」を探すのではなく、「どこまで覚えられているか」「どの部分で止まっているか」を分析する視点を持つことが重要です。

具体的には、次のようなポイントをチェックします。

  • カウントを飛ばしてしまう箇所はどこか
  • 左右の足が入れ替わってしまう箇所はどこか
  • 体の向きが周りと違うタイミングはどこか

これらをメモしておき、次の自宅練習やレッスン前のウォームアップで重点的に確認します。
自分の課題を明確にしてから練習すると、同じ時間でも効果が高くなり、効率的に振付を自分のものにしていけます。

短時間でも毎日触れる「スキマ練習」のすすめ

振付の記憶を維持するためには、一度に長時間練習するよりも、短時間をこまめに繰り返す方が効果的です。
これは分散学習と呼ばれ、様々な学習分野で有効性が確認されています。
ダンスでも、週に1回2時間だけ練習するより、毎日5〜10分でも振付に触れる方が、記憶の新鮮さを保ちやすくなります。

例えば、朝の支度の前に8カウントだけ確認する、帰宅後に動画を一度だけ再生して頭の中で踊る、ストレッチついでに上半身だけ振付をなぞるなど、日常生活の中にスキマ練習を組み込みます。
このような小さな積み重ねが、振付の忘却を防ぎ、次のレッスンでの吸収をスムーズにしてくれます。

ジャンル別に見るダンス振付の覚え方の違い

ダンスと言っても、ジャズダンス、ヒップホップダンス、ジャズコンテンポラリー、ハウス、ロッキン、タップなど、ジャンルごとに求められる体の使い方やリズムの取り方は異なります。
そのため、振付の覚え方にもジャンル特有のポイントがあります。
ここでは、代表的なジャンルごとの特徴と、それぞれの振付を効率よく覚えるためのコツを整理します。

もちろん、どのジャンルにも共通する基本的な考え方はありますが、ジャンル特性を理解しておくことで、レッスン中の意識の向け方や自宅での復習方法がより明確になります。
複数のジャンルを並行して学んでいる方は、混乱を防ぐ意味でも、違いを意識しておくと役立ちます。

ジャンル別・覚え方のざっくり比較

ジャンル 意識したいポイント
ジャズ / ジャズコンテンポラリー 体のライン、方向転換、ストーリー性
ヒップホップ リズムの取り方、アイソレーション、グルーヴ
ハウス フットワークのパターン、継続的なリズム
ロッキン 技の名前と形、アクセントの位置
タップ 足の音とリズムパターン、カウントの正確さ

ジャズ・ジャズコンテンポラリー:ラインと流れで覚える

ジャズやジャズコンテンポラリーの振付は、体のラインや方向転換、空間の使い方が重視される傾向にあります。
そのため、一つひとつのポジション(形)と、その間をつなぐ移動の流れをセットで覚えることが重要です。
単に手足の位置だけでなく、「どの方向に向かって、どのくらいの距離を移動しているか」を意識すると、振付全体の構造が理解しやすくなります。

また、感情表現や音楽性とのリンクも大切な要素です。
歌詞やメロディの流れに合わせて、どのフレーズで感情が変化しているのかを意識し、その変化に合わせて自分のエネルギー感を変えるようにすると、ストーリーとして振付を記憶できます。
ポーズの形を写真のように覚え、その間を映像のようにイメージすることで、記憶に残りやすくなります。

ヒップホップ:リズムとグルーヴを優先して覚える

ヒップホップダンスでは、リズムの取り方とグルーヴが振付の核になります。
同じ振付でも、リズムの感じ方が異なると、全く別のダンスに見えてしまうほどです。
そのため、振付を覚える際は、まず音楽のビートにどのように乗っているか、ダウンなのかアップなのか、裏拍を使っているのかといったリズムの質感を最優先で押さえます。

動きの形だけを先に覚えてしまうと、後からリズムを修正するのが難しくなることがあります。
振付を習うときには、先生の身体の揺れ方やノリ方をよく観察し、それを真似しながら動きをなぞっていきます。
また、よく使われるステップ(ランニングマン、クラブ、ロジャーラビットなど)の基礎を日常的に練習しておくと、新しい振付にも対応しやすくなります。

ハウス:フットワークのパターン化がカギ

ハウスダンスでは、テンポの良い音楽に合わせて細かいフットワークを連続させることが多く、初心者にとっては足元が混乱しやすいジャンルです。
振付を覚えるときは、まず基礎ステップ(トーシャッフル、パドブレ、スライド系など)のパターンを認識し、それらがどの順番でつながっているかに注目します。
個々のステップをバラバラに覚えるのではなく、「この振付は3種類のステップの組み合わせ」といった全体像をつかむことが重要です。

また、ハウス特有の流れるようなリズムを維持するために、足元だけでなく体幹の揺れや上半身のリラックスも意識します。
足の運びだけに意識が集中すると、体全体が固まりやすくなるので、音楽に揺れながら小さくステップを確認し、徐々にスピードと大きさを上げていくとスムーズです。

ロッキン:技の名前とアクセントをセットで覚える

ロッキンは、特徴的なポージングや技(ロック、ポイント、スキーターラビットなど)が明確に定義されているジャンルです。
振付を覚えるときは、それぞれの技の名前と形、どのカウントにアクセントが来るのかをセットで記憶することが大切です。
音楽の強拍に合わせてしっかり止まる箇所を明確にすると、全体のメリハリが生まれます。

また、ロッキン特有の遊び心やコミカルな表現を理解しておくことで、振付の意味も感じ取りやすくなります。
ステップごとに「ここは見せ場」「ここはつなぎ」といった役割を意識し、特に見せ場となる技の形を優先的に丁寧に覚えると、全体の印象が大きく変わります。

タップ:足の音とカウントを正確にリンクさせる

タップダンスでは、足元で鳴る音そのものが音楽の一部となるため、リズムとカウントの正確さが極めて重要です。
振付を覚える際は、まず足の音とカウントをしっかりリンクさせることから始めます。
ステップの名前(シャッフル、フラップ、タイムステップなど)と、その音の数、カウント内での位置を整理しておくと、複雑な振付でも構造を理解しやすくなります。

自宅練習の際には、実際にタップシューズを履かなくても、足の動きだけを静かに練習することができます。
そのときも、頭の中で鳴る音と実際の動きを一致させることを意識します。
タップは最初こそ情報量が多く感じられますが、一度基本のリズムパターンが身につくと、以降の振付もパターンとして捉えやすくなります。

レッスン中に振付を覚えるスピードを上げるテクニック

振付の覚え方やコツは、自宅での練習だけでなく、レッスン中の過ごし方にも大きく左右されます。
同じクラスにいても、レッスン中の意識や行動の違いによって、振付の定着度には大きな差が生まれます。
ここでは、スタジオでのレッスンを最大限に活かすための、実践的なテクニックを紹介します。

インストラクターから教わる内容を受け取るだけでなく、自分から情報を取りに行く姿勢を持つことで、レッスン時間の価値を何倍にも高めることができます。
ちょっとした意識改革で実行できるものばかりなので、次のレッスンからすぐに試してみてください。

先生の説明を「言葉」と「体」で二重にメモする

レッスン中にインストラクターが説明する内容は、振付だけでなく、体の使い方やリズムの感じ方など、重要な情報が詰まっています。
これを聞き流してしまうのは非常にもったいないです。
先生の言葉をできるだけそのまま記憶し、自分の体で再現するイメージを持つことで、理解と記憶が深まります。

例えば「もっと床を押して」「首からではなく胸から動かして」といった指示は、振付の見え方を大きく左右します。
レッスン後、印象に残ったフレーズだけでもスマホのメモに書き出しておき、次回のレッスン前に見返すと、継続的に同じポイントを意識できます。
言葉と体の両方でメモをとるような感覚を持つと、振付そのものも思い出しやすくなります。

鏡のどこを見るかを意識して情報量をコントロールする

スタジオの鏡は非常に便利なツールですが、使い方を誤ると情報量が多すぎて混乱の原因にもなります。
特に初心者は、鏡全体を一度に見ようとしてしまい、どこに意識を向ければよいか分からなくなることがあります。
そこで、振付を覚える段階では、「今は先生だけを見る」「今は自分の上半身だけを見る」といったように、見る範囲を意識的に絞ることが大切です。

最初の数回は先生の動きだけに集中し、体の流れをコピーすることに専念します。
ある程度形が分かってきたら、自分の姿を確認して修正していきます。
鏡に映る他の受講者と比べすぎないようにし、自分と先生の二者に焦点を当てることで、振付に集中しやすくなります。

分からない部分は早めに質問して「穴」を作らない

レッスン中に分からない部分が出てきたとき、そのままにして先に進んでしまうと、その後の振付の理解にも支障が出ることがあります。
特に、移動方向や回転の向きなどの基本情報を誤解したまま進むと、全体の構成が崩れてしまいます。
勇気がいるかもしれませんが、分からない箇所は早めにインストラクターに質問し、理解の穴をその場で埋めておくことが重要です。

質問がしづらい場合は、レッスン終了後に個別に確認する方法もあります。
その際、「○カウント目の足の向きが分からなかったのですが」と、できるだけ具体的に聞くと、先生も答えやすくなります。
小さな疑問を放置しない姿勢が、結果として振付全体の理解を深め、覚えやすさにもつながります。

体力配分を意識して「集中すべきポイント」にエネルギーを残す

慣れないうちは、レッスン前半で全力を出しすぎて、振付の後半で体力と集中力が切れてしまうことがあります。
これでは最も重要な振付のまとめや動画撮影の時間に、本来の実力を発揮できません。
レッスン全体の流れを把握し、どのタイミングで集中力を高めるべきかを意識することも、上手なレッスンの受け方の一部です。

ウォーミングアップや基礎練習の段階では、全力で踊るというよりも、体を温めつつ、動きの質感を確認することを目的にします。
振付が始まってから徐々にギアを上げ、全体の流れを通す段階で最大限の集中力を発揮できるように体力を残しておくと、情報の定着も良くなります。

初心者がやりがちなNG行動とその改善策

ダンス初心者が振付を覚える過程で、ついやってしまいがちな行動には、いくつかの共通パターンがあります。
これらは本人にとっては真剣な努力のつもりでも、結果的に効率を下げてしまうことがあります。
ここでは、よくあるNG行動と、その改善策を整理して紹介します。

事前に知っておくことで、無駄な遠回りを避け、よりスムーズに振付の習得につなげることができます。
自分の練習スタイルを見直すきっかけとして、客観的な視点でチェックしてみてください。

一度に全部を覚えようとして混乱する

初心者が最もやりがちなNGは、振付を最初から最後まで一気に覚えようとすることです。
この方法では、カウントや動きが頭の中でごちゃごちゃになり、途中で何度も止まってしまいます。
さらに、途中で間違えるたびに最初からやり直そうとするため、いつまで経っても全体像がつかめません。

改善策としては、8カウントごと、もしくはフレーズごとに区切り、部分的に完成させてからつなげる方法を徹底することです。
特に、通しで踊る練習は最後の仕上げに留め、練習時間の多くをパーツごとの確認と反復に使うようにすると、結果的に全体を覚えるスピードが速くなります。

スピードに合わせて踊ろうとしてフォームが崩れる

音源のスピードに合わせて踊ることを最優先にしてしまうと、体のフォームや重心位置が崩れ、結果として振付が身につきにくくなります。
特にテンポの速い楽曲では、形があいまいなまま動きだけが先行し、どこをどう改善すべきか分からなくなってしまうことがあります。

改善策として、まずは音楽を使わずにカウントでゆっくり動きを確認し、その速度で正確に踊れるようになってから、徐々に実際のテンポに近づけていきます。
フォームを優先する段階と、スピードを上げる段階を意識的に切り分けることで、振付のクオリティと暗記の両方をバランスよく高めることができます。

できていない部分を避けて「得意なところだけ」踊る

人は誰しも、得意な部分や好きなフレーズを繰り返し踊りたくなるものです。
しかし、レッスン後の自主練習で「できているところばかり何度も踊る」状態が続くと、実際には上達していないにも関わらず、練習した気分だけが積み上がってしまいます。
これでは、振付の全体像としての完成度はなかなか上がりません。

改善策として、自分にとって難しい箇所をあえてリストアップし、その部分だけを集中的に反復する時間を設けます。
例えば、「3番目の8カウント」「ターンからの着地部分」など、具体的なポイントを絞って練習することで、全体のバランスが整っていきます。
得意な部分は、通し練習のときに自然と復習されるため、個別の練習ではあえて苦手部分に時間を使うのが効率的です。

ウォーミングアップを省略してケガと効率低下を招く

時間がないからといってウォーミングアップを省略すると、筋肉や関節の可動域が十分に確保されず、振付の動きも小さくなりがちです。
それだけでなく、ケガのリスクも高まります。
体が硬い状態で難しい振付に挑むと、痛みや違和感に意識が向いてしまい、肝心の動きやカウントに集中できません。

改善策として、最低でも5〜10分は体を温める習慣をつけましょう。
ストレッチだけでなく、軽いリズム取りや基本ステップを組み合わせると、ダンスに必要な筋肉と神経回路を効率よく起動できます。
ウォーミングアップに時間をかけることで、その後の振付習得の質が上がり、結果的にトータルの練習効率も良くなります。

まとめ

ダンス初心者が振付を効率よく覚えるためには、単に回数をこなすだけでなく、マインドセット、ステップ分解法、自宅練習、レッスンでの立ち回り、そしてNG行動の改善といった複数の要素をバランスよく整えることが重要です。
完璧主義を手放し、7割の完成度を積み上げる意識を持つことで、精神的な負担を減らしながら着実に上達していけます。

また、8カウント単位で振付を分解し、上半身と下半身、右と左を切り分けて練習することで、情報量をコントロールしやすくなります。
レッスン直後のゴールデンタイム復習や、短時間のスキマ練習を活用すれば、スタジオ外の時間も味方につけることができます。
ジャンルごとの特徴や、自分の苦手パターンを理解しながら、焦らず一つずつ積み重ねていきましょう。

振付の覚え方とコツは、身につければ一生もののスキルです。
今日から紹介した方法を少しずつ取り入れていけば、レッスンについていける実感が増え、ダンスがより楽しくなるはずです。
自分のペースを大切にしながら、継続して取り組んでみてください。

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